協調性とは?
協調性(Agreeableness)は、ビッグファイブ性格特性の一つで、主に、自分の求めることよりも他人の求めることを優先する能力や特性を表しています。
たとえば、協調性の高い人は、他者に対して自然な共感を覚え、人に奉仕したり誰かの世話をしたりすることに大きな喜びを感じる傾向があります。
協調性の高い人は友達が多い人気者
また、協調性の高い人は、他者を信頼する気持ちと広い寛容な心を持ち、他人と競争するよりも協力し合うことをより好みます。なかなか気の良い人物ですね。
こうした特性を持っているので、協調性のスコアが高い人は、まわりから多くの人気を集め、親しい友達を作りやすいという傾向があります。
また、信頼できる人、利他的な人、正直な人、謙虚な人、他者に共感できる人、協力的な人とまわりから思われやすくもなります。
協調性のメリット
これまでの解説を見てのとおり、協調性が高いことは多くの場面で有利に働きます。なぜなら、協調性は人気を獲得し、維持するための重要な特性だからです。
協調性の高い人は一般的に、他人に好かれ、一緒にいることも楽しいと感じられます。そのためほとんどの人が協調的な人物を良い友人だと評価します。
特に集団で行動したり、組織でうまく立ち回るために必要な能力ですね。もちろん恋愛でも重要なポイントになっています。
協調性のデメリット
このように協調性には多くの良い面がありますが、残念ながらマイナス面もあります。
たとえば、協調的な人は、自分の欲求やニーズ、好みを主張するのに苦労することがあります。
そのため自分の望みがかなえられなかったり他者に気を遣いすぎて、人付き合いに疲れたり損をしてしまうこともしばしばあります
また、厳しい決断をしたり厳しい愛情を示すことを必要とする状況でも苦戦してしまいます。他者が厳しい状況におかれてしまうような決断をするのが苦手なのです。
さらに、仕事のキャリアに関して言えば、他人の出世や仕事を助けることに熱心になりすぎて、自分の仕事を頑張ったり、自分の為の出世計画を立てることを忘れてしまうかもしれません。
協調性が低いことで起こる問題
一方で、協調性のレベルが低い人には、他者に対して敵対的、反目的、競争的になるという心理的傾向があります。つまり、ほかの人をライバル視したり敵視しやすいのですね。
また、協調性のレベルが低いと良質な人間関係を形成するのが難しくなり、意見の食い違いや人との別れが多くなる傾向もあります。
協調性は人付き合いに必要な特性のひとつなので、これが低いと自然と人間関係も悪くなりがちになってしまうのです。
協力する場面では協調性が力を発揮してくれますが、競争する場面ではむしろ逆効果になってしまうという感じです。
親しい人と遊ぶのは無駄な時間ではありません。家族や友人との強力な社会的ネットワークがないと、心臓病のリスクが高くなり、健康を損ない早死にします。しかし一方で、他人に親切にすると、有意義な人間関係や友情を育むことができ、肉体的にも心理的にも私たちは強くなれます。レッツふれあい。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生@進化学と恋愛心理 (@kruchoro) 2021年8月20日
協調性が高い人の特徴一覧
最後に、協調性が高い人に共通する特徴をご紹介します。
- 他人とうまくやっていける
- 人気者で好かれている
- 困っている人を気遣う
- 協力的で、親切で、思いやりがある
- 共感性・感受性が強い
- 社会的、感情的に知的である
- 人との衝突を避けたり緩和する
- 人を責めたり裁くことを控える
- とりあえずは他人を信じる
- 人とコラボレーションをしたり一緒に何かをすることが好き
- 人と友情を築きやすい
- 利他的で、察しも速い傾向がある
- 知覚が鋭く、洞察力が高い
- 感情的に人をサポートすることができる
- まわりの人たちを協調的にすることができる
当てはまる項目がおおければ、それだけその人は協調性が高いと言えます。
参考論文
Bamford, Joshua Silberstein and Jane W. Davidson. “Trait Empathy associated with Agreeableness and rhythmic entrainment in a spontaneous movement to music task: Preliminary exploratory investigations.” Musicae Scientiae 23 (2019): 24 – 5.
Song Y, Shi M. Associations between empathy and big five personality traits among Chinese undergraduate medical students. PLoS One. 2017 Feb 10;12(2):e0171665. doi: 10.1371/journal.pone.0171665. PMID: 28187194; PMCID: PMC5302826.