【好きなタイプ】どんな人を好きになるかであなたの性格がわかる

イメージを変える・印象操作の心理学
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恋する気持ちを作る脳内物質

恋に夢中になっている人の脳は、恋をしていない人の脳とは明らかに状態が異なり、放出される脳内化学物質が大きく関係しています。

恋をしている人の脳内では、渇望や強迫観念に関連するドーパミンという化学物質を生成する場所である「腹側被蓋部」と、依存症に強く関連する「側坐核」という2つの領域が過剰に活動しているのです。

恋愛に関する研究者として有名な、ラトガース大学の生物人類学者ヘレン・フィッシャー博士によると、人が人を好きになる理由にはドーパミンやテストステロンなどの脳内化学物質が影響を与えており、恋愛やセックスなどの報酬を求める気持ちに関与していることがわかっています。

脳内にあるこれらの特定の化学物質のバランスはその人の個性を形成していますが、同時にその人が惹かれる人のタイプをも決定しているのです。

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似たタイプを好きになる人、違うタイプを好きになる人

この仕組みにより、自分と似たタイプの人を好きになるということもあれば、自分とは反対の性格の人に引き寄せられるということもあります。

一般的に人は、文化的、宗教的、社会・経済的背景などが同じで、知性や魅力のレベルが高い、自分に似たタイプの人を好きになります。

しかし、人生の中で、私たちはそのような条件に当てはまる人に何百人も出会います。

では、似たタイプなのにもかかわらず、ある人とは恋をして別の人には恋をしないのはなぜなのでしょうか?

これを調べるためにフィッシャー博士が2009年から2012年にかけて行った一連の研究によると、ドーパミン、セロトニン、テストステロン、エストロゲン/オキシトシンの4つの神経化学システムが、性格特性と関連していることがわかりました。

この研究では、その人の中でどの神経化学システムが優位に立っているかを判断するための性格診断を作成し、出会い系サイトに登録している2万8,000人の人々にテストを行い、彼らがどのようなタイプの相手を恋人の候補に選ぶのかを観察しました。

 

脳のタイプで好きになる人のタイプは変わる

そして実験の結果を見てみると、異なったタイプの性格の人に惹かれる人とそうでない人の違いは、その人が持つ性格タイプによることがわかったのです。

 

ドーパミンタイプ

たとえば、神経物質の中でもドーパミンの働きが活発な人は、報酬を求めて衝動的に行動し、目新しいものや経験を求め、すぐに飽きてしまう傾向があります。

ドーパミンの働きが活発な人は、好奇心旺盛で、エネルギッシュで、精神的にも柔軟な性格を持っていますが、内省的ではない傾向があります。

このドーパミンが活発なグループは、自分と同じで活発的な性格の持ち主であるドーパミンタイプの人を好きになります。

 

セロトニンタイプ

次に、セロトニンが活発な人は、不安感が少なく社交的ですが、リスクを嫌うタイプの性格になる傾向があります。

そのため、セロトニンが優位になっている人は、良心的で信心深く、きちんとルールを守り、秩序や習慣を重んじる傾向があります。

そして、このような習慣を重視する人は、自分と同じような性格の人をパートナーに選びます。

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自分と似てない人を好きになる脳タイプ

しかし、次の2つのグループは自分とは正反対の性格の相手に惹かれました。テストステロングループとエストロゲン(とオキシトシン)グループの人たちです。

 

テストステロンタイプ

男性ホルモンであるテストステロンが優位な性格の人は、分析力が高く、競争心が強く、感情を抑えることができます。

このような性格の持ち主は、女性ホルモンであるエストロゲンと愛情ホルモンであるオキシトシンのレベルが高い性格の人に惹かれることが多い傾向がありました。

 

エストロゲン/オキシトシンタイプ

最後に、エストロゲンとオキシトシンのレベルが高い人は、共感力が高く、面倒見がよく、他人を信頼し、向社会的で、内省的で、意味やアイデンティティを求める傾向があります。

そして、このエストロゲン/オキシトシンのグループもまた、テストステロンのレベルが高いグループに頻繁に引き寄せられていました。

つまり、テストステロンタイプとエストロゲンタイプは両思いになりやすいのですね。

ちなみに、テストステロンとエストロゲンは男性ホルモンと女性ホルモンと考えられていますが、どちらのホルモンも両性に存在します。

なので、女性でもテストステロンのレベルが高い人がいて、エストロゲンのレベルの高い男性とパートナーになる、という組み合わせもあります。

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恋愛関係を長く維持するコツ

しかし、性格も重要ですが、もうひとつ見落としてはいけないことがあります。

特に初期の恋愛や相手の魅力はその人の性格によって大きく左右されるかもしれませんが、その愛情を維持するためには、ある特定のスキルが必要です。

そのスキルとは、愛する人に対するポジティブな幻想を持ち続けることです。

つまり、相手のことをよく思い、欠点を見過ごすというシンプルな能力です。このように相手に対してポジティブな幻想を抱ける人ほど恋愛が長続きするのです。

別の言い方をすると、恋愛においてはあまり現実を見過ぎてはいけないということかもしれません。

好きな人とできるだけ長い期間恋に落ちていたい人は、このことをよく覚えておいてください。

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参考論文、参考資料

Why Him? Why Her? ペーパーバック – イラスト付き, 2010/1/5 英語版  Helen Fisher (著)

https://amzn.to/3iQhVcl

Meloy JR, Fisher H. Some thoughts on the neurobiology of stalking. J Forensic Sci. 2005 Nov;50(6):1472-80. PMID: 16382848.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16382848/

Frazzetto G. The science of online dating. Can the application of science to unravel the biological basis of love complement the traditional, romantic ideal of finding a soul mate? EMBO Rep. 2010 Jan;11(1):25-7. doi: 10.1038/embor.2009.264. PMID: 20033090; PMCID: PMC2816634.

https://doi.org/10.1038/embor.2009.264

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