好きになる人は自分と似たタイプ?それとも違うタイプ?の結論

協調性・コミュニケーション・人間関係の心理学
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相補性の法則とは?

社会心理学の理論では、私たちが恋愛対象として好きになる相手のタイプは、大きく分けると2種類あると言われています。

ひとつは自分と異なるタイプの相手です。もちろん、ただ異なるだけではなく、自分が持っていない部分を補完してくれる特徴や特技や性格を持っている相手です。

このように自分の弱点を補ってくれるような相手を好きになる心理を相補性(または相補性の法則、Complementarity, Complementarity theory)と呼びます。

 

類似性の法則とは?

もうひとつの心理は、自分と似た相手や同じ相手を好きになる類似性(または類似性の法則、Similarity, Similarity theory)です。「類は友を呼ぶ」というものですね。

これらは真逆のことを言っている心理法則のため、どちらのほうがより強力な心理なのか?とたびたび議論に挙がります。

というわけで今回は、「私たちが恋人として求めている相手は似たタイプなのか?異なるタイプなのか?」について解説していきます。

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理想は相補性、現実は類似性

オランダのフローニンゲン大学心理学部のピーターネル・ダイクストラ教授、ディック・P・H・バレルズ博士らの研究によると、人は自分とは異なる性格の相手をパートナーに求めると主張する一方で、実際には同じ資質を持つ相手と付き合っていることがわかりました。

つまり、相補性ではなく類似性の勝利!ということですね。

この研究では、オンラインデートサイトの会員760人(女性476人、男性284人)に、自分の性格的特徴(ビッグファイブ)と、理想的な長期的パートナーに求める特徴についてアンケートを実施しました。

さらに、「自分の弱みを補完してくれる相手」と「自分に似ている相手」のどちらをパートナーに望むのかを尋ねました。

すると、実験参加者とそのパートナーの性格が非常に似通っている傾向があることが見つかったのです。

私たちには、理想の部分では相補的な相手を求めるのに対し、現実では類似した相手を選ぶ心理があるのです。

 

類似性の法則が強力な理由

別の研究でも、性格の類似性は、態度、宗教、価値観の類似性よりも、幸せな結婚生活を送る上で重要であることがわかっています。

これは、性格が似ている同士の付き合いでは、お互いの信念や意見を認め合うことができ、その結果、衝突が少なくなる傾向があるからです。

タイプが異なる相手との付き合いは刺激的ですが、刺激が続いてしまうとお互いに疲れてきてしまうのです。別れ話でもよく聞く話ですよね。

 

間違った相手に恋してしまう理由とは?

しかし、今回の調査では、実際に付き合っている恋人は性格が似ている相手なのににもかかわらず、実験に参加した人の85.7%が、自分とは正反対の性格的特徴を持つ人を恋人に望んでいると主張していました。

このような結果になる理由について、ダイクストラ教授は、「結婚相手の好みについて尋ねられたとき、人々は結婚相手に対する本当の望みよりも、恋愛的な魅力に対する一般的な考え方を部分的に利用してしまっている可能性がある」と述べています。

よく知られているのは、「異なる性格のもの同士は惹かれ合う」という説と、「似たような相手との恋はドキドキせず退屈なものになる」という説です。

私たちはこうした恋愛の話に無意識のうちに影響を受けて、「そういうものなのか」と思い込んで好みの相手を選んでしまっているのです。

 

理想的な相手との恋愛はうまくいかない

しかし、ダイクストラ博士によると、これらの理論は現実の恋愛には通用しないことが多いと言います。

つまり、多くの人が自分とは異なる性格の相手に惹かれますが、このような魅力は親密な関係に発展しないことが多く、また、発展したとしても、その関係が早々に終わってしまうことが多いのです。

ダイクストラ博士を裏付ける話として、たとえばオランダで行われた調査では、離婚した人たちのうち約40%が、別れた主な原因として性格の不一致を報告しています。

 

モテる男性の特徴は3つ

また、今回の研究では、女性は、自分と同じような相手を求めるだけでなく、誠実的で、外向的で、情緒が安定している男性を求めていることもわかりました。

これらの特徴は、質の高い人間関係や将来の子供への投資を示す予測因子として数えられているものです。つまり、長期的な関係に発展しやすい男性ほど女性にモテる傾向があるのです。

しかし、一方で、男性が女性よりも好むと思われる相手の特徴は特に見つかりませんでした。

というわけで、男女ともに、二人に共通の話題を見つけることが、恋愛関係に発展させるうえで最重要の課題となります。参考にしてみてください。

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参考論文

Dijkstra, Pieternel, and Dick P. H. Barelds. “Do People Know What They Want: A Similar or Complementary Partner?” Evolutionary Psychology, (October 2008). 

https://doi.org/10.1177/147470490800600406.

Winch, R. F., Ktsanes, T., & Ktsanes, V. (1954). The theory of complementary needs in mate selection: an analytic and descriptive study. American Sociological Review, 19, 241–249. 

https://doi.org/10.2307/2087753

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