お金があっても幸せになれない
人は、お金があっても幸せになれません。
もちろん、だからと言って、貧乏を推奨したりお金稼ぎが悪いということではありません。
「お金を手に入れても幸せになれないのならどうすればいいの?」 ということについて今日は話していきます。
これまで人生の満足度や主観的な幸福度を高めて幸せになる心理学について何度か話して来ましたが、それらの共通点は、自分が置かれている状況よりも、課題や問題に対する姿勢や人生の捉え方、物事の考え方や人間関係が私たちの幸福度に大きく影響するということです。
一言でまとめると、「環境よりも考え方が大事!」という感じですね。環境を変えるのは容易ではありませんが、考え方は自分である程度は変えられます。
考え方が変われば、環境も変えられます。そして環境が変われば、さらに成長スピードは加速していくという好循環が生まれるのです。
お金持ちと一般人の幸福度は変わらない?
オランダ、ホープ大学で心理学を研究しているマイヤーズ博士は、長者番付雑誌フォーブスに出てくるお金持ちの人たちの幸福度を調べて一般的な収入の人たちと比較してみました。
すると、お金持ちだからと言って幸せになれているとは限らないことがわかりました。両者が感じている幸福度の間には差がまったく見られなかったのです。
さらに言うと、お金持ちの37%の人たちはむしろ一般的な収入の人たちよりも幸福度が低かったのです。衝撃的ですよね。
これはつまり、お金を持っているかどうかは幸福度とはほとんど関係がない(まったく関係がないわけではない)ということです。
これと似た研究結果は、ノーベル賞を受賞したダニエル カーネマン博士の研究でも指摘されています。
性別も文化も年齢も幸せとは関係ない
さらに幸福度と関係ないものはお金だけでなく、性別や民族や年齢といったものも含まれていました。
ただ、年齢に関しては、人は年齢が上がるにつれて主観的な幸福度も上がっていくという研究もあります。
どちらの研究にも言えることは、少なくとも、年老いたからといって不幸になることはないということですね。
仕事と性格が幸せを決める重要な要素
さて、それではどんなことが幸せと関係があるのかというと、仕事と性格が私たちの幸せを左右していることがわかりました。これも他の研究でよく言われていることですね。
つまり、幸せになるためのポイントは、仕事に満足しているかどうかや職場内での性格の明るさや社交性などだったのです。
仕事に関しては人生の半分を占める活動なので、その仕事の内容や労働環境に満足していないと幸福度がかなり低くなってしまいます。
社交性や人との関わり方が重要
プライベートな時間に関しても、社交性は人とのつながりを強化してくれることで私たちを心身ともに健康にし幸福度を高めてくれます。意外にも、友達が少ないことは健康に悪いんですね。
また、性格の明るさは物事を楽観的に見ることで直接的に心に良い影響をもたらしてくれます。好きなものが多かったり興味のあるものが多いと、それだけで私たちは幸せを感じられるのです。
環境よりも考え方を先に変える
とにもかくにも、幸せを求めているのにお金のことで悩んだり、お金を理由に行動しないのは無駄なことなので、考え方を変えましょう。
考え方を先に変えるのは、環境を変えるよりもコスパがずっと良く簡単です。それでも無理だった場合に、環境を変えていきましょう。
お金に関して悩みを抱えている場合は、別の視点から問題を眺めてみると良い解決策が見つかるかもしれません。行動しなければ問題は解決しませんからね。
金銭報酬と幸福度には関係がない
性別や民族や年齢も幸福度は関係がない(どんな人も幸せになれる)
仕事への満足度と性格の明るさ・社交性は幸福度に関係がある