目標なんて持つな!目標設定が生み出す6つのリスクとデメリット

やる気・モチベーションの心理学
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目標を持つと不幸せになる心理がある

2009年にカリフォルニア大学サンディエゴ校のリサ D オルドネス博士、ペンシルバニア大学ウォートンビジネススクールのモーリス シュヴァイツァー博士らが行った研究によると、目標を決めることにも複数のデメリットがあることがわかっています。

 

意外に感じるかもしれませんが、目標設定をしてそれに向かって突き進むことは、科学の世界では単純に良いこととは言い切れないのです。

 

というわけで今回は目標を掲げることのデメリット、目標設定のときに陥りやすい心理的な罠について解説していきます。

 

目標設定が生み出す6つのリスクとデメリット

以下に挙げたのが、目標設定が生み出す6つの心理的なリスクとデメリットです。

 

  1. 視野が狭くなってしまう
  2. やる気がなくなる
  3. 長期的な利益を損なう
  4. 失敗の可能性が高くなる
  5. 倫理観を損なう
  6. 学習心を損なう

 

こうして並べてみるとかなりヤバいですね。世間で言われていることと真逆です。それでは順番に解説していきます。

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視野が狭くなってしまう

目標を決めると視野が狭くなって成功の機会を見逃してしまう、という弱点があります。

 

事前にやりたいことやゴールを絞り込んでおくことで盲目的になってしまい、他のことをするチャンスや掲げた目標以外の可能性が目に入らなくなってしまうのです。

 

過去には成功の形に固執すると不幸になるという研究もありましたが、この目標設定もそれに近い心理です。

 

目標設定のためのビジネス本などで「目標は明確にしよう!」というようなアドバイスが書かれていることが多いですが、実際には逆効果となってしまうのです。

 

細かいことは決めない

研究によると、目標を決めるときは細かいところまでは絞り込まずに大きく考えて、そのときそのときの状況に沿って融通が利く目標にしたほうがいいことがわかっています。

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やる気がなくなる

こちらも意外や意外、目標を持つことで逆にやる気がなくなってしまうという心理が働きます。

 

大きな目標を持とう!」と鼓舞する経営者は成功者がいますが、大きな目標は失敗したときの精神的なダメージもそれだけ大きくなってしまいます。

 

自分のレベルに合っていなかったり、必要なスキルを持っていなかったり現実的なトレーニングのことを考えずに大きな目標を持つとモチベーションが下がってしまうだけなのです。

 

例えばソフトバンクグループの社長の孫正義さんも「できるだけ大きな夢を持て!」と言っていますが、科学的にはこれは間違いなので注意しましょう

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長期的な利益を損なう

視野が狭くなる!の話に似ていますが、こちらの心理も目の前の目標や報酬に目がくらんでしまい、長い目で見た時のメリットを見逃してしまうという現象です。

 

目標を設定することで短期的に素早くゴールを達成したいという気持ちが強くなってしまい、視野が狭くなった結果として長期的な利益が損なわれる可能性が高くなってしまうのです。

 

失敗する可能性が高くなる

目標を決めると逆に失敗の可能性が高まるという皮肉な心理効果があります。

 

私たちは一度目標を設定すると、その目標を達成しようと頑張るあまりリスクの高い行動をとるようになってしまうのですね。そのせいで失敗の可能性も高まってしまうのです。

 

例えば、無理をしてずっと勉強したり、成功できるかわからないのに高いお金で人を雇ったり商売道具を買ったり、休みの日を作らずに仕事し続けるといった感じですね。

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倫理観を損なう

こちらもリスクを追い求めやすくなる心理と似ていますが、私たちは目標達成に固執するあまり目標に近づくための手段を選ばなくなります

 

そのせいで無意識のうちに道徳的じゃない行動を正当化する心理が働いてしまい、人を傷つけたり法律を犯したりと、あくどい行為をしてしまうようになるのです。

 

学習心を損なう

目標を決めると学びや経験といったものに価値を感じなくなって学習意欲が低下してしまうことがわかっています。

 

これも視野狭窄の一つで、目標達成のために役立つことやどこまで目標に近づいているかといったことに気持ちが集中してしまうので、経験から学ぶ気持ちが消えていってしまうのです。

 

お金にならないことには興味がない、というような考え方と似ていますね。何はともあれ目標設定は全体的に私たちの目を曇らせてしまうようです。

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視野狭窄に気をつけよう

以上が目標設定がもたらす6つのリスクとデメリットです。目標を掲げることは単に良いことなのではなく、こういった副作用があるということを理解しておきましょう。

 

いったん目標を決めて集中してしまうと上記のような心理的な罠が待ち構えているので、定期的に自分が視野狭窄に陥っていないかをチェックする必要があります。きちんと副作用を理解して目標達成に励まなくてはいけないのです。

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目標を決めなくてもいい

しかし実際のところ正しい目標設定はかなり難しいので、無理してまでわざわざ目標を立てなくてもいいです。

 

目標を決めないというのも実はひとつの目標達成のテクニックなのですね。実業家の堀江貴文さんも今回の研究と同じように「目標を掲げることは無意味だ」というようなことを言っています。

 

なので、目標設定で苦労したり成果を感じられなかったことがある人は、目標を決めずにただ行動するというテクニックを使ってみるのも良いかと思います。

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