くるちょろ心理学研究所

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【体内時計の心理学】クロノタイプ(時間生物学)について心理解説

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クロノタイプとは?

 

クロノタイプとは、24時間のうち特定の時間に私たちが眠る傾向があることを意味しています。

 

極端に分けると、「睡眠時間が遅い夜型」と「睡眠時間が早い朝型」の2つに分けられます。

 

ほとんどの人は睡眠時間のタイミングには、ある程度の柔軟性を持っていて、自分の意思で朝早く起きることも夜遅くまで起きていることもできます。

 

ただし、これは””ある程度の柔軟性””なので、自分の睡眠時間のタイミングとは異なる睡眠時間帯を長期的に維持することは難しいです。

 

平日は朝早く起きるけれど、休日には遅くまで寝ている」という人は、まさにこの柔軟性によって本来の自分のクロノタイプとは異なる時間帯に睡眠をしている人です。

 

ほとんどの人は夜型でも朝型でもなく、その中間のタイプだとされています。意外と朝から活発に行動できる人は少ないのです。

 

クロノタイプの年齢ごとの変化

 

このクロノタイプは年齢によって変化します。

 

思春期前の子供では「朝型の早い睡眠時間」を好み、思春期になると「夜型の遅い睡眠時間」を好むようになります。

 

そして、高齢者になると再び「朝型の早い睡眠時間」を好むようになり、睡眠時間の傾向に変化が見られます。

 

なので、朝型と夜型の評価には年齢を考慮する必要があると主張している研究者もいます。

 

例えば、「23時30分に就寝する人がいたとしても、その人が若い学生の場合では朝型を示しているかもしれないが、40~60歳の年齢層では夜型であることを示しているかもしれない」と指摘しています。

 

人は若いうちには夜型、年を取ると朝型になる傾向があるので、この年齢的な傾向を考慮したうえで個人のクロノタイプを判定しようということです。

 

また、性別によってもクロノタイプの傾向が異なります

 

環境によって変化するクロノタイプ

 

私たちの体内や脳みそにあるほとんどの細胞には、生理現象(ホルモン量、代謝機能、体温、認知機能、睡眠など)を制御するサーカディアンシステムと呼ばれる遺伝子群(時計遺伝子と呼ばれるもの)が存在しています。

 

これらの制御は基本的には遺伝子的な作用によって行われますが。環境の影響を受けても変化します。

 

環境因子としては、光、摂食、社会的行動、仕事や学校のスケジュールなどが挙げられます。

 

なので、朝の早起きが苦手な人によくあるアドバイスに、朝起きたら日光を浴びる、食事のタイミングをずらす、日が落ちたら部屋の電気を消したり電子機器を使わない、といったものがあるのです。

 

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それぞれのタイプの起床・睡眠時間帯

 

朝型の人は夜型の人に比べて日中の体温が高く、体温が最も高くなるピークタイムが早く、就寝と起床時間も早いことがわかっています。

 

朝型と夜型に必要な睡眠時間の長さには違いがありません。

 

しかし、このクロノタイプとライフスタイルが一致していない場合、たとえば夜型の人が朝型の生活をしている場合には、社会的な地位の低下がみられたり病気のリスクなどが高まるなど悪影響があることがわかっています。

 

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クロノタイプ診断テスト

 

最後に、自分のクロノタイプがわからない人や詳しく調べたい人は、以下の診断テストを参考にしてみてください。

 

NCNP(国立精神・神経センター)精神生理研究部:朝型夜型質問紙

https://www.sleepmed.jp/q/meq/meq_form.php

睡眠障害・クロノタイプ自動診断

http://sleptwell.jp/psq2/psqigc.php

山下医院 メンタルクリニック、ふくろうとひばりの質問表

http://park3.wakwak.com/~yamashita-iin/fukurou.htm

ミュンヘンクロノタイプ質問紙(MCTQ)日本語版

https://mctq.jp/

どうぶつ睡眠タイプ診断 - 16TEST 精密性格診断テスト

https://16test.uranaino.net/others/sleep/test/

 

参考論文

 

Roenneberg T, Kuehnle T, Juda M, Kantermann T, Allebrandt K, Gordijn M, Merrow M. Epidemiology of the human circadian clock. Sleep Med Rev. 2007 Dec;11(6):429-38. doi: 10.1016/j.smrv.2007.07.005. Epub 2007 Nov 1. PMID: 17936039.

https://doi.org/10.1016/j.smrv.2007.07.005

Horne JA, Ostberg O. A self-assessment questionnaire to determine morningness-eveningness in human circadian rhythms. Int J Chronobiol. 1976;4(2):97-110. PMID: 1027738.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1027738/

Samson DR, Crittenden AN, Mabulla IA, Mabulla AZP, Nunn CL. Chronotype variation drives night-time sentinel-like behaviour in hunter-gatherers. Proc Biol Sci. 2017 Jul 12;284(1858):20170967. doi: 10.1098/rspb.2017.0967. PMID: 28701566; PMCID: PMC5524507.

https://doi.org/10.1098/rspb.2017.0967

Jones SE, Tyrrell J, Wood AR, Beaumont RN, Ruth KS, Tuke MA, Yaghootkar H, Hu Y, Teder-Laving M, Hayward C, Roenneberg T, Wilson JF, Del Greco F, Hicks AA, Shin C, Yun CH, Lee SK, Metspalu A, Byrne EM, Gehrman PR, Tiemeier H, Allebrandt KV, Freathy RM, Murray A, Hinds DA, Frayling TM, Weedon MN. Genome-Wide Association Analyses in 128,266 Individuals Identifies New Morningness and Sleep Duration Loci. PLoS Genet. 2016 Aug 5;12(8):e1006125. doi: 10.1371/journal.pgen.1006125. PMID: 27494321; PMCID: PMC4975467.

https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1006125