夜フクロウタイプと朝ヒバリタイプ
心理学の世界では、活発になる時間帯が夜型の人を夜フクロウタイプ、朝型の人を朝ヒバリタイプと区別します。
世の中には夜フクロウの人もいれば朝ヒバリの人もいて、彼らの割合はほぼ同じです。しかし興味深いことに、活動時間のタイプによって、一般的な知能のレベルには違いがあることが研究で明らかになっています。
夜更かしタイプは頭が良い
1999年のオーストラリアのシドニー大学心理学部リチャード・D・ロバーツ博士と空軍研究所のパトリック・C・キロネンの研究では、夜更かしをする人は頭が良いという結果出ています。
アメリカの若者を対象にした調査では、早寝早起きをする若者よりも夜更かしをする若者の方がIQが高いというデータが出ています。
この研究では420人のテスト参加者のクロノタイプ(活動的になる時間帯)を測定し、知能テストを行いました。すると、夜更かし型の人たちの方が朝型の人たちよりもIQが高かったのです。
賢い子供は大人になってから夜型になる
また若年層のアメリカ人のデータを集めた別の大規模な分析結果によると、社会的な要因を差し引いても、より知的な子供たちは、知能の低い子供たちよりも大人になってから夜行性になるように成長することがわかっています。
知能の低い子どもたちと比較して、知能の高い子どもたちは、平日も休日も眠る時間が遅い傾向が見つかっています。
知能の高い子どもたちは、次の日の起きる時間が決まっている平日の夜でも、起きる時間が決まっていない週末でも、就寝時間と起床時間が遅いのです。そして、週末の昼間には起きずに寝続ける傾向がありました。
賢い人は平均で48分遅く眠る
詳しい時間で見てみると、幼少期のIQが75未満(非常に低いレベル)の人は、平均して、大人になってから平日の夜は23時41分頃に就寝するのに対し、幼少期のIQが125以上(非常に高いレベル)の人は00時29分頃に就寝していました。
というわけで、賢い人ほど夜型になってしまう傾向があるようです。子どものときに直しても、大人になったら結局は夜型になるというのは面白いですね。それゆえ時差ぼけによる苦労は多そうですが。