タバコを吸うと性格が悪くなる
タバコが健康に悪いのは周知の事実ですが、実は「タバコを吸うと性格が悪くなる!」ということもわかっています。
2019年にフランスのモンペリエ大学のヤニック ステファン博士、アメリカのフロリダ州立大学のアンジェリーナ R スーチン博士たちがチームで行った共同研究によると、タバコは個人の考え方、感情、行動なども長期的に変えてしまっている、という悲しい結論になっています。
喫煙の習慣は単純に健康に悪影響があるというだけでなく、私たちの思考法や物の感じ方まで変えてしまっているのです。そう考えるとかなり恐ろしい話ですね。
タバコを吸うと精神面がボロボロになる
この研究ではアメリカや日本などで行われた喫煙者に関する5つの調査結果の中から、20〜92歳の広い年齢層の人たち15,572人分のサンプル数が使われました。
そして調査の期間は4〜20年という長期間に渡ってまして、いずれのデータでも、「普段どれぐらいタバコを吸ってるか?」「パーソナリティは変わっていないか?」という2つの要素がチェックされました。
そしてすべてのデータをまとめたところ、喫煙者はみんな性格が悪化していることがわかったのです。
タバコを吸うことで失う5つの能力
具体的にはタバコを吸ってる人は、以下の5つの能力が失われてしまいます。
科学的に一番精度の高い性格診断テストであるビッグファイブ(開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向)がすべて悪い方向に向かってしまうのです。
簡単に言うと、タバコを吸っている性格の悪い人間になってしまうのです。これは人によっては不健康になるよりも嫌かもしれませんね。
タバコを吸うと不安感が増えて孤独になる
これらの性格の中でも特に神経症傾向と外向性への悪影響が大きいこともわかっていまして、タバコを吸い続けるとその人はどんどん不安を抱えるようになり、人とのコミュニケーションも避けてしまう性格になっていってしまうのです。
しかも、研究ではさらに恐ろしい事実も確認されていて、タバコをやめても性格がポジティブになるかどうかはわからない、とされています。もしかしたら禁煙で性格がもとに戻る可能性もあるものの、まだ研究不足のようです。
しかしタバコを続けるデメリットの方が大きいので、タバコをやめるに越したことはないでしょう。
禁煙で友達が減る理由
さらには、喫煙者はタバコをやめると協調性が低下するというような悲劇的な結果も出ています。
つまり、タバコを吸い続けても協調性が下がるし、タバコを止めても協調性が下がる可能性があるという、どうしようもない状態です。
こういった現象がなぜ起こるのかというと、タバコで繋がった喫煙者同士の人間関係が禁煙によって失われてしまうからです。まさに「行くも地獄、戻るも地獄状態」です。
禁煙したら、新しいつながりを作らないといけないみたいですね。
ネガティブな性格を直せば大丈夫?
ただし、「タバコで性格が変わるのではなく、もともとネガティブな人がタバコを吸う傾向がある」という可能性も示されています。
他で行われた研究でも、神経症的な傾向があり誠実性が低い人ほどタバコを吸う傾向があるというデータは出てますので、こういった理由も確実に存在するようです。
タバコを吸うと負のスパイラルに落ちる
しかし、一方で研究チームは、「タバコを吸って体調を崩したせいで性格が変わってしまう」とも仮定してます。
確かにタバコは不眠症や心疾患リスクの増加に繋がっているので、その肉体的なダメージが精神にも影響しているということです。
タバコは人生の意味も低下させる
最後に研究チームは以下のように結論付けています。
「タバコは人間から必要なエネルギーを奪っていく。そしてその結果、感情の安定やコミュニケーション、セルフコントロールなどに欠かせないモチベーションが低下してしまうのだ。」
タバコを吸うことでやる気もなくなってしまうのです。何度も言いますが、恐ろしい話ですね。
ネガティブな人はタバコを吸いやすい
つまり、もともと神経症ぎみな人はネガティブな気持ちをやわらげようとしてタバコを吸ってしまいます。
すると、タバコの健康被害のせいでさらに体調が崩れて、体からエネルギーが失われてしまいます。
エネルギーがないせいで本格的な神経症になってしまい、さらにタバコを吸ってしまう、というような負のスパイラルが起きているのです。
禁煙は早めにするに越したことはない
というわけで、タバコは肉体的な健康だけではなく精神的な健康も害し、性格も悪化させてしまうことをよく覚えておきましょう。
タバコは吸わないに越したことはありませんし、吸ってたら早くやめてきちんとした適切なストレス対策を身に着ける必要があります。