性格によって異なる効果的な説得方法
実は相手の性格の違いによって効果的な説得の方法も異なります。
ある人には有効だった説得でも別の人にはあまり効果がないということがありますが、そのような効果の違いを作っているのはどうやら性格の違いによる影響が大きいようです。
よく人の意見に流されやすい人、流されにくい人という区別がありますが、この心理にもそれぞれ異なる説得の方法が関係しています。
では、どんな説得方法を取り入れるのが良いのでしょうか?
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競争的な性格の人に強く言ってはいけない?
アメリカ、マイアミ大学の心理学者であるチャールズ カーバー博士は、人々が持つ性格の違いとそれぞれの性格に合う説得方法について調べるために心理実験を行いました。
その結果を見てみると、性格がのんびりしている人たちのグループではソフトなメッセージでも強い説得メッセージでも意見を受け入れてもらいやすい傾向がありました。
彼らは自分の性格とは極端に異なる伝達方法であっても相手の意見に耳を傾けることができたのです。
しかし、競争的な性格を持つグループの場合は、強いメッセージでは心は動かされず、ソフトな説得メッセージで軽く伝える方が説得されるということがわかりました。
競争力が強い人たちに強めのメッセージを与えると、反発をしてしまうのです。
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誰に対しても最適な説得方法とは?
優しい人にはどんな伝え方でも意見を聞き入れてもらいやすいのですが、競争を好む人たちには穏やかな提案でないとダメという風に、相手の性格によって最適な説得手段というのが変わってくるのです。
ともあれ実験の結果を見てみると、どんな場合でも優しく言い聞かせる方が相手をうまく説得できるようです。もちろん、時にははっきりと指示を出してくれた方が助かるという場合もありますが、その場合でも強めの口調は人に好かれないのですね。
なので、リーダーだからといってわざわざ人を説得するために口調を強くする必要は無いのです。威圧的な態度や言い方は人間関係にヒビを入れてしまう原因になりますから、穏やかな口調でさっと説得するというイメージで相手に行動を促してみましょう。
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表面的に言うことを聞かせるだけではダメ
表面的には相手は意見を受け入れているように見えても、もしかすると心のうちではフラストレーションが溜まっている可能性もあります。
部下や子どもに対して強く言うことで、表面的には言う通りの行動を取らせることができますが、見ていないところでやっていなかったり信頼関係が揺らぐという危険性もありますので、強く命令するという方法はおすすめできません。
他の心理学の研究でも「穏やかな提案」の方が相手に好かれるということもわかっていますので、基本的には穏やかな物の言い方で柔らかく相手を説得しましょう。
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