仕事の満足度は人生の満足度を左右する
日々こなす仕事の時間が、私たちの人生の満足度の中で大きな割合を決めています。
仕事、特に働き方や仕事に対する自分の姿勢や考え方が、私たちの心が多くの幸せを感じられるかどうかに影響しているのですね。
ここで重要視されているのは、「何を仕事にするか?」ということよりも、「就いた職でどう働くか?」ということです。
例えば、好きなことを仕事にして楽しく働くのと、お金を稼ぐために好きではない仕事をしてストレスを溜めてしまうのとで幸福度が変わるのは、直感的にも理解できるでしょう。
あるいは、どんな仕事をしていても、仕事それ自体に興味を持ち、出勤することを楽しみ、職場環境にも満足しているのであれば、やっぱり幸せになりますよね。
この、仕事がもたらしてくれる幸福の差が、人生全体の満足度に大きく影響してくれるのです。
仕事の時間が人生の満足度に大きく影響する理由
現代では、仕事をする時間は一日の三分の一を占めます。睡眠時間を省けば、私たちは一日のうちの半分は仕事をしているか、仕事に関する作業をしているのです。
これが仕事の満足度が人生の満足度に大きく影響を与える理由です。人生の半分は働いてると言っても、過言ではありませんから、その働いている時間が楽しくなければ幸福度が下がるのは当然ですよね。
では、どのような仕事、あるいは働き方をすれば、もっとも幸福度を高めることができるのでしょうか。
お金のために働くと幸福度が下がってしまう
結論から言うと、好きなことや興味を持てることを仕事にするのが一番の幸せです。
アメリカ、ミシガン大学のレゼスニウスキー教授は、21~69歳の人たちを196名集めて「自分の仕事をどのように捉えているか」という聞き取り調査しました。
その調査で得た結果をもとに仕事の種類を大別すると、お金を得るための仕事、高い地位につき競争に勝つためのキャリア形成、自分が楽しむための天職、と3つに分かれました。
そして彼らに人生の満足度を訊ねてみたところ、「天職>キャリア>仕事」、の順番で幸福度が高くなることがわかったのです。
つまり、好きなことで生きている人が最も幸福度が高く、お金のために働いている人が最も幸福度が低かったのです。
と、こうして3つを並べてみましたが、まぁ説明を聞くと納得の結果ですよね。似たような結果は他の心理学研究でも示されています。
作業が報酬になっている人は幸福度が持続する
要するに、お金や他人からの評価を求めるよりも、作業それ自体を楽しめる人は人生に対する満足度も高くなるということなんですね。
ちなみにお金とキャリアを求める人たちの両者ではそんなに幸福度が変わりませんでした。地位や名誉やお金を求めて働いてもあまり幸せにはなれないのですね。
もちろん、地位や名誉やお金はそれを手にしたときは私たちを幸福な気持ちにしてくれます。周りの人たちから賞賛されたり、有名になったり、大金が手に入れば誰でも嬉しいものです。
しかし、それは長続きはしないのです。なぜならその報酬の喜びを手にするのは一瞬の出来事だからです。
報酬を手にした状態はその後も続きますが、人間というのはどんなものにも慣れてしまう生き物ですので、喜びも束の間、すぐにまた好きでもない仕事という現実に引き戻されてしまうのです。
逆に好きなことを仕事にできている場合は、積極性が出てきます。この積極性が人生に意味を持たせて辛い作業をも楽しいものに変える影響力があるのです。
ですから、どのように働くかや、自分にとって仕事がどのような位置付けでどんな価値を持っているかということの方が真理的な影響力が高いのですね。
今の仕事の価値を考えよう
好きな仕事に就くというのはすでに就労している場合にはすぐに取りかかれることではありませんが、副業したり空いている時間で興味のある分野に関連した作業を進めることはできます。
あるいは、何も新しい仕事を探さなくても、働いていることについて今一度考え直し、今の仕事に自分なりの価値観を付与することで今の仕事も楽しくできるようになります。
今の仕事からすぐに転職することは難しいですが、こちらの考え方を変えるというやり方ならすぐにでも実践できます。ぜひ仕事の価値観を見つけていってください。
自分が楽しめる仕事に就いている人は幸福度が高い
お金やキャリアのために働いている人は幸福度が低い傾向がある
自分の仕事に意味を見つけることが大切