【神経症的傾向】神経質な人は嫌われやすく、喧嘩しやすく、孤独になりやすい

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神経症的傾向の高さが人間関係に与える影響

 

今回は神経症的傾向の解説の続きです。

 

神経症的傾向は、私たちの人間関係にどのような影響を与えるのでしょうか?

 

想像しやすいのですが、神経症的傾向のレベルが高いことで人間関係にいくつもの悪い影響が起きます。

 

神経症的傾向のレベルが高いことで人間関係に起きるネガティブなことを順番に見ていきましょう。

 

他人を困らせる

 

おそらく神経症的傾向の高い人が抱える人間関係に対する最も大きな不満は、自分の行動がまわりの人たちに迷惑をかけていることです。

 

例えば、神経症的傾向のレベルが高い人は、次のようなことを日常的に頻繁に繰り返して、周囲の人の神経を逆なでしてイラつかせることがあります。

 

  • 不平不満を口にする
  • 他人を批判する
  • 常に安心感を求める
  • 他人に過度に依存する
  • 自分で物事を考えずにすぐに他人に助けを求める
  • 悲劇の主人公を演じる
  • 軽微な問題に対して過度に反応して大げさに誇張する
  • ネガティブな感情をまわりにも伝染させる

 

こうして並べてみるとわかりやすいのですが、まわりの人への負担が大きく、付き合いにくいと感じる性格ですよね。

 

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まわりの人に悪影響を与える

 

神経症的傾向が高い人は、ネガティブな感情や行動をまわりにいる人たちにも伝染させることがあります。

 

なので、もしもあなたが神経症的傾向の度合いが高く、子供がいる場合、あなたの心配性な性格からくる行動を模倣することによって、子供たちが高い神経症的傾向レベルを引き継いでしまうかもしれません。

 

たとえば、「転んで怪我をするかもしれないから、公園で遊んではいけない」と子どもたちに忠告すれば、子供は「すべての状況は危険であり、常に脅威に気をつけなければならない」と学ぶことになり、親のあなたと同じく心配性な性格になっていきます。

 

もちろん、家族以外にも仕事の同僚や親しい友人にも当てはまります。繰り返し発信することでネガティブな思考はほかの人に伝染してしまうのです。

 

衝突や争いに巻き込まれやすい

 

神経症的傾向が強いと、そのせいで他人と衝突しやすくなってしまうことがあります。

 

たとえば、運転中に割り込みをされたり、部下からの報告が遅れたり、レストランで注文したメニューが来なかったときなど、相手のちょっとしたミスで激怒してしまい、他人と衝突してしまうことがあるかもしれません。

 

些細なことで激昂してしまうと、ストレスを感じた相手に対して怒鳴ったり、怒ったりしてしまいやすくなるのです。

 

これを頻繫に繰り返せば、いつかは大きな揉め事に発展して自分の身を危うくしてしまいますし、友人たちも離れていってしまうでしょう。

 

自分から親しい人と離れてしまう

 

また、神経症的傾向の強い人の中には、不安を感じたり心配する気持ちから他人を非難する人もいます。

 

たとえば、何の根拠もなく、恋人や配偶者が浮気をしていると非難したり、不貞の疑いを向けて突き詰めてしまうことがあります。

 

こうして疑う気持ちが強すぎた結果、裏切られることへの恐怖から、大切な人を自分から遠ざけてしまうのです。

 

また、些細なことにこだわるため、完璧主義とは程遠い人たちと衝突しやすく、頼んだ仕事を相手が満足にこなせなかったときなどは特に緊張と対立を生んでしまいます。

 

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頼りなさそうに見える

 

あなたがいつも感情的に暴走しているところを見ると、やがてまわりの人たちは、あなたには安定した心理状態を求めることができないのだと感じるようになります。

 

神経症的傾向が高い人は小さな脅威の兆候でパニックになってしまうので、何かあったときに頼りにならない人だと評価されてしまうのです。

 

つまり、ストレスに対する耐性が低く、ちょっとしたことで一日が台無しになってしまうような人は、昇進させるべき相手でも、人生を共に過ごすべき相手でもないと判断されてしまうのです。

 

なだめたり注意をしても行動の改善が見られないと、信用も大きく失うことになり、腫れもの扱いされてしまうでしょう。

 

 

過度に罪悪感を感じてしまう

 

神経症的傾向が強いと、自分のせいではないこと、自分に責任がないことに対しても過度に罪悪感を感じてしまいます。

 

そうして小さなミスをいちいち謝ったり、気にする必要のないことまで気にしたりしていると、自分から人を遠ざけるようになるかもしれません。

 

このような罪悪感は、一見すると必要なこと、役に立つことのように感じるかもしれませんが、実際には人間関係を悪くしているのです。

 

神経症的傾向が強い人は、迷惑をかけたくないあまりに人との交流を遮断して孤独になってしまうのです。心当たりがある人は気をつけてください。

 

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参考論文

 

Ormel J, Jeronimus BF, Kotov R, Riese H, Bos EH, Hankin B, Rosmalen JGM, Oldehinkel AJ. Neuroticism and common mental disorders: meaning and utility of a complex relationship. Clin Psychol Rev. 2013 Jul;33(5):686-697. doi: 10.1016/j.cpr.2013.04.003. Epub 2013 Apr 29. PMID: 23702592; PMCID: PMC4382368.

https://doi.org/10.1016/j.cpr.2013.04.003

Ormel J, Bastiaansen A, Riese H, Bos EH, Servaas M, Ellenbogen M, Rosmalen JG, Aleman A. The biological and psychological basis of neuroticism: current status and future directions. Neurosci Biobehav Rev. 2013 Jan;37(1):59-72. doi: 10.1016/j.neubiorev.2012.09.004. Epub 2012 Oct 12. PMID: 23068306.

https://doi.org/10.1016/j.neubiorev.2012.09.004

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