くるちょろ心理学研究所

心理学・医学・経済学の研究論文の解説と考察をしています

【認知必要性】勉強好きな頭が良い人と勉強嫌いな人とは何が違うのか?

 

 

頭をよく使う人

 

今回は認知必要性の解説の続きをしていきます。

 

認知必要性が高い人は自発的に様々な精神的努力を要する課題(推論やパズルなど頭を使った作業)に取り組みますが、認知必要性が低い人は外的誘因があって必要に迫られたときのみ、そのような活動に参加することが研究で示されています。

 

つまり、認知必要性が高い人は自分から頭を使う作業を始めますが、そうでない人はそうしなければいけない状況にならないとわざわざ頭を使おうとしないのです。

 

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情報の中身を精査する能力

 

例えば、認知必要性が高い人は議論や会議など、他者の説得が求められるコミュニケーションにおいて、論理的根拠の強いメッセージと、根拠の弱いメッセージを区別しています。

 

彼らはそのメッセージが信頼できる情報源からのものであるかどうか、また常識から逸脱するような意外な内容の意見かどうかに関係なく、ひとつひとつの情報の妥当性を精査します。

 

つまり、認知必要性が高い人は、「それって本当に正しいのか?」と自分の頭で考えて内容を精査して、説得力のあるメッセージと説得力のないメッセージをきちんと区別し、情報を適切に評価する傾向があるのです。

 

頭をあまり使わない人

 

一方で、認知必要性が低い人は、信頼できない情報源からの主張であったり、簡単には想像しにくいような意外な立場をとっていたりする場合に、根拠の強い主張と根拠の弱い主張とをはじめて区別します。

 

つまり、認知必要性が低い人は、信頼できない情報源からの情報を確認するためといった他の動機がある場合にのみ、本当にその意見が正しいのかどうかを考えてメッセージの内容を精査するのです。

 

ほかにも、突発的に始まる予期せぬ議論、締め切りが迫っている状況、個人的なことに関連する会話などが発生した時に認知必要性が低い人は考える傾向があります。

 

逆に言うと、そういう状況にならないと頭を使わないので、こういう人はすぐに言われたことを信じる癖があります。

 

 

認知的挑戦を楽しめる人と楽しめない人

 

この研究は、認知必要性が高い人は精神的に負担のかかる複雑な活動を本質的に楽しいと感じていますが、認知必要性が低い人はそうは感じていないことを示唆しています。

 

多くの証拠が、認知必要性が高い人はそうでない人よりも、認知的に困難な課題をより積極的に経験しようとすることを示しています。

 

いくつかの研究では、認知必要性が高い人は、数学の問題や複雑な数字探索課題などの精神的な挑戦に対して、より肯定的な感情反応(例えば、課題の楽しさや快さの評価)を報告し、より否定的なもの(例えば、欲求不満や緊張)は少ないことが示されました。

 

実際に頭を使うことはお菓子を我慢するために使うときでさえ、かなりエネルギーを消耗するため、好きでないとやっていられないのでしょう。運動が好きな人と嫌いな人がいるのと同じですね。

 

頭を使う人は新しいものも好き

 

さらに、認知必要性が高い人は、新製品や複雑な問題についての情報を求める傾向も強くなります。例えば、彼らは大統領選の討論会に参加する傾向があります。

 

このような積極的な情報収集は、認知必要性が高い人の精神的活動や挑戦に対する内発的な動機づけを反映しています。

 

このあたりは性格特性のひとつである開放性の特徴と似通っていますね。

 

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参考論文

 

Jacob Sohlberg, Thinking Matters: The Validity and Political Relevance of Need for Cognition, International Journal of Public Opinion Research, Volume 28, Issue 3, Autumn 2016, Pages 428–439, 

https://doi.org/10.1093/ijpor/edv023

Ahlering, R. F. (1987). Need for cognition, attitudes, and the 1984 Presidential election. 

Journal of Research in Personality, 21(1), 100–102. 

https://doi.org/10.1016/0092-6566(87)90029-8

Freddie J. Jennings, Benjamin R. Warner, Mitchell S. McKinney, Cassandra C. Kearney, Michelle E. Funk & Josh C. Bramlett (2020) Learning from Presidential Debates: Who Learns the Most and Why?, Communication Studies, 71:5, 896-910, DOI: 10.1080/10510974.2020.1807377

https://doi.org/10.1080/10510974.2020.1807377