くるちょろ心理学研究所

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【マインドフルネス】何の役に立つ?マインドフルネスの効果・メリットを解説

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マインドフルネスの効果とは?

 

前回はマインドフルネスの概念や意味について解説しましたが、今回はマインドフルネスの効果について解説していきます。

 

マインドフルネスの効果には、ストレスレベルを下げ有害な反芻思考を減らすというものがあります。これにより、うつ病や不安症から自分自身を守れるようになります。

 

もともと不安やうつ病の治療のために用いられ始めたこともあり、特にこの「マインドフルネスでストレスと不安を減少させることができる!」という研究結果は豊富です。

 

主な用途はストレス・不安・痛みの解消、リラックス効果

 

ストレスや不安の解消が、マインドフルネスが勧められる最もよくある理由と言ってもいいでしょう。「ストレス解消や不安対策にはマインドフルネスを!」といった感じです。

 

また、ストレス、不安、痛みに対処する以外に、単に気持ちをリラックスするためにも、マインドフルネスは用いられています。

 

マインドフルネスは、自己批判や判断を避け、困難な感情を特定して管理するための心理的なツールとしても効果的で、ネガティブな感情のコントロールにも役立つのです。

 

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マインドフルネスの研究とエビデンス

 

また、マインドフルネスは、拒絶されたり、社会的に孤立したりしたときの対処法としても有効であるという研究結果も出ています。

 

人間関係は、ネガティブな思考や思い込みのせいで悪化してしまうことが多いのですが、マインドフルネスを取り入れることでこれらの影響力を減らし、毅然とした態度で明るく人付き合いができるようになるのです。

 

複数の研究結果を分析したレビュー調査によると、マインドフルネスに基づいた介入は、不安、うつ、痛みを軽減するのに役立つことが示唆されています。

 

さらに言えば、マインドフルネスは日常のストレスを軽減し、生活の質を向上させることも可能であることがわかっています。

 

というふうに、あらゆる悩みに幅広く作用する、かなり万能な心理テクニックがマインドフルネスなのです。

 

マインドフルネスとフローの違いとは?

 

フローとは、ある活動に完全に没頭し、自己認識を失っている状態のことです。

 

つまり、「気づいたらものすごい時間が経っていた!」という感覚がフロー状態ですね。「我を忘れている」のです。

 

フローもマインドフルネスも深い集中力を必要としますが、目標に向かって行動するのはフローだけです。

 

マインドフルネスが「今この瞬間」に集中するのに対し、フローはスキル習得や目標達成に集中するため、過去や未来のことを考えたり、それを判断したりすることも含まれています。

 

この2つの概念はややこしいので結構間違えやすいですね。間違えたところでそこまで困ることはないかと思いますが、混乱してしまったときはこの記事を思い出して復習してみてください。

 

おそらくADHDの人は特にフロー状態(過集中状態)になりやすく、マインドフルネスになりにくいのではないでしょうか。

 

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マインドフルネスの課題と問題点

 

マインドフルネスの前に優先するべきこと

 

しかし、マインドフルネスが完全に万能なのか?というとそうではなりません。

 

マインドフルネスは心理的な介入なので、食事・睡眠・運動といった基礎的な健康習慣をまずは先に身に着けることが好ましいです。

 

心理療法は、肉体の健康があってこそ発揮します。なので、優先順位としてはまずはこの基礎的な健康習慣を守ることから始めるべきでしょう。

 

もちろん、マインドフルネスを利用することで健康習慣が身に付きやすくなるという効果もあるので、マインドフルネスを併用して生活習慣の改善をすることは良いです。

 

例えば、マインドフルネスを取り入れることで寝つきが良くなるという効果があります。そうなると、大事な睡眠の質が改善されるのでマインドフルネスも役立つということになります。

 

マインドフルネスのエビデンスは正しいものなのか?

 

また、マインドフルネスの定義や測定方法には一貫性がなく、マインドフルネスが本当に他の効果をもたらすかどうかを判断するのは難しいという課題が残されています。

 

マインドフルネスはまだ歴史的に新しい治療法ですのでわからないことも多いのです。だからこそ、優先するのなら食事・睡眠・運動の改善というわけですね。

 

マインドフルネスにはまだまだ課題も残されているのですが、近年シリコンバレーを中心に流行したという背景もあって最近では科学的データも増えてきています。

 

「とりあえずマインドフルネスをやっていれば悩むことはない!」とまでは言い切れませんが、「他の健康効果を大きくしてくれるのでやっておいて損はない!」というところまでは保証できます。

 

次回は、「マインドフルネスがどのようにして心に作用してしていくのか」について解説していきます。

 

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参考論文、資料

 

サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法 Kindle版 チャディー・メン・タン (著)

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マインドフルネス・ストレス低減法ワークブック ボブ・スタール (著), エリシャ・ゴールドステイン (著), 家接 哲次 (翻訳)

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マインドフルネスストレス低減法 ジョン・カバットジン (著), 春木 豊 (翻訳)

https://amzn.to/3p4eCOe

Hofmann SG, Sawyer AT, Witt AA, Oh D. The effect of mindfulness-based therapy on anxiety and depression: A meta-analytic review. J Consult Clin Psychol. 2010 Apr;78(2):169-83. doi: 10.1037/a0018555. PMID: 20350028; PMCID: PMC2848393.

https://doi.org/10.1037/a0018555