運動嫌いの秘密は脳みその違いにあります!HIITの心理効果とは?

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運動嫌いはなぜ起こる?

 

運動が好きな人と嫌いな人がいます。健康のことを考えると運動はしなくてはいけないので、できれば運動好きでいたいものですが、すべての人が運動好きというわけではありません。

 

また、中には激しい運動の方が好きという人がいれば、軽い運動なら長く続けられる!という好みの違いもあります。

 

そこで今回は、「どうしてこのように運動に対しても人によって好き嫌いが分かれるのか?」について解説していきます。

 

運動嫌いな人は脳内物質が作用しにくい

 

実はこの運動に対する好みを調べた2017年のフィンランドのトゥルク大学のラウリ・トゥオミネン博士の研究によると、人によっては運動から得られる脳内化合物を受け取れる受容体(レセプター)の量が少ないことがわかっています。

 

これはオピオイドと呼ばれる脳内化合物(ベータエンドルフィンなど)で、運動後に放出されることで鎮痛、陶酔作用が出て、運動による疲れや苦痛を癒してくれる効果があります。つまり、麻薬のような役割をしているのです。

 

しかし、このオピオイド受容体が少ない脳みそを持っている人の場合は、他の人と違ってランニングのようなキツい運動をしても幸福感を得られないのです。

 

いわゆる「ランナーズ・ハイ」のような激しい運動後の高揚感が体験できないのですね。

 

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無理に運動しても嫌いになる

 

このように脳内の受容体が少ない人が高強度の運動をすると、ネガティブな感情や倦怠感が増してただ辛いだけで、運動の楽しさが感じられないため、運動を嫌いになるリスクがあります。

 

ただし、この研究では、ウォーキングなどの軽めから中程度の強度の有酸素運動なら脳内作用の違いは見られなかったとのことで、激しい運動が苦手な人でも軽めの運動なら十分に楽しめます。

 

もしも自分が激しい運動で喜びをあまり感じられない場合には、高負荷な運動よりもウォーキングヨガなどの軽い運動を長時間行う方が良いでしょう。

 

運動にも合う合わないがあるのですね。最初にも言ったように運動習慣は長生きの秘訣です。

 

なので、自分ならどちらの運動の方が続けやすいかを調べてみてください。

 

激しい有酸素運動の方が人間は好き

 

ちなみに、この研究では通称HIITと呼ばれる、高強度のインターバルトレーニング(ここではサイクリング)を激しい運動として試してもらいました。

 

実は、2011年のリバプール・ジョン・ムーア大学のジョナサン・D・バートレット博士の研究によると、一般的にはHIITの方が軽い有酸素運動よりも運動の楽しみが大きく、運動習慣も身に付きやすいことがわかっています。

 

なので、運動を楽しみたいのならまずは激しい有酸素運動の方から試してみてください。

 

それで高揚感が得られないでつらい場合には軽めの運動をする!というふうにしてみましょう。

 

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参考論文

 

Saanijoki, T., Tuominen, L., Tuulari, J. et al. Opioid Release after High-Intensity Interval Training in Healthy Human Subjects. Neuropsychopharmacol. 43, 246–254 (2018). 

https://doi.org/10.1038/npp.2017.148

Bartlett JD, Close GL, MacLaren DP, Gregson W, Drust B, Morton JP. High-intensity interval running is perceived to be more enjoyable than moderate-intensity continuous exercise: implications for exercise adherence. J Sports Sci. 2011 Mar;29(6):547-53. doi: 10.1080/02640414.2010.545427. PMID: 21360405.

https://doi.org/10.1080/02640414.2010.545427

Decker, Emily & Ekkekakis, Panteleimon. (2016). More efficient, perhaps, but at what price? Pleasure and enjoyment responses to high-intensity interval exercise in low-active women with obesity. Psychology of Sport and Exercise. 28. 10.1016/j.psychsport.2016.09.005. 

https://doi.org/10.1016/j.psychsport.2016.09.005

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