脳構造の違いが異なる政治思想を生み出す
アメリカではよく「レッドステイト(保守派、共和党)」と「ブルーステイト(リベラル派、民主党)」と地理的に分けて政治について語られています。
保守派が多く大統領選で共和党の代表者が勝ちやすい州はレッドステイトと呼ばれ、リベラル派が多く大統領選で民主党が勝ちやすい代表者が勝ちやすい州はブルーステイトと呼ばれています。
実はこの赤と青の区分けは、私たちの脳みそにもあることがわかっています。
つまり、「保守派になりやすい脳みそ」と「リベラル派になりやすい脳みそ」が存在するのです。
レッドブレイン、ブルーブレイン
2013年に行われたエクセター大学政治学部のダレン・シュライバー、サンディエゴ州立大学のグレッグ・フォンゾ博士らの研究によると、自由主義者と保守主義者では認知形態が異なっており、この生物学な違いが人々の政治的態度と信念の違いに影響を与えているとしています。
この研究では、82名の人々にリスクの高い選択に成功すれば報酬が上がり失敗すれば報酬が下がるというタスクをやってもらったところ、それぞれにリスクを冒す行動に違いはありませんでしたが、脳の活動領域には違いが見つかったのです。
実験の最中、保守派の人ほど恐怖を感じる偏桃体がより活発に活動していたのです。
以前の研究でも解説しましたが、やはり保守的な人ほど恐怖を感じやすいのです。
保守的な人ほど情動コントロールによるメリットが大きい
今回の結果を別の見方で考察すれば、保守派の人ほどネガティブな感情に敏感なので、保守的な人ほど感情をコントロールすることで受けられる恩恵が大きくなる!ということになます。
というわけで、現状維持が好きな人や感情が乱れるほど犯罪が許せない人は、マインドフルネス瞑想などをして感情をうまくコントロールできるようになりましょう。
参考論文
Schreiber D, Fonzo G, Simmons AN, Dawes CT, Flagan T, Fowler JH, Paulus MP. Red brain, blue brain: evaluative processes differ in Democrats and Republicans. PLoS One. 2013;8(2):e52970. doi: 10.1371/journal.pone.0052970. Epub 2013 Feb 13. PMID: 23418419; PMCID: PMC3572122.