一目惚れは科学的にあり得るのか?
あなたはこれまで、初めて会った誰かに一目惚れをしたことがありますか?
世の中には一目惚れは信じる派と信じない派がいますよね。深く知り合ってもいない、ましてや話しかけてさえいないのに相手の性格がわかるわけがないと考えて否定する人や、その場の勢いで決めるのは良くないというふうに慎重に考えて否定する人がいます。
一目惚れを否定する、いろんな言い分があると思います。科学的に考えると、実は賛成派・否定派、どちらの意見も正しいです。
一目惚れは心理現象の一つ
一目惚れを信じる派と信じない派、両者を分けるのはおそらく、経験による違いが大きいと思います。
一目惚れを経験したことがある人は信じるでしょうし、そうではない人はあんまり信じられないでしょう。
では、心理学的に見ると、一目惚れは存在するのでしょうか?その答えは「イェス」です。
ここからは一目惚れが起こる心理的な要因を見ていきましょう。
恋愛中の人は、起きているあいだの85%以上の時間を、好きな人のことを考えて過ごしています。まさに「恋に落ちている」のですね。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2021年8月14日
一目惚れの心理、初頭効果
一目惚れというのはいくつかの心理効果が合わさって起こっているのですが、ひとつには「初頭効果・やまびこ効果」と呼ばれる、相手の第一印象に気持ちが引っ張られていく心理現象によって引き起こされることがあります。
つまり、最初に出会ったときに「素敵な人だな」とか「話しやすい人だな」という相手の印象が生まれると、わたしたちの脳みそにはバイアス(偏見)がかかって、その印象に関連した相手の行動を多く見積もったり、最初の印象が記憶の中に残りやすくなるのです。
そして家に帰って一人になってからも、「相手はこういう人だったな」と相手の情報をわかりやすくするために一番強い印象をラベル付けします。
覚えやすいように、相手の印象をシンプルなものに書き換えるのですね。
好きになった相手からは好かれるようになる
また、最初に相手を「良い人」だと感じると、わたしたちはその人ともう一度会ってみたいと思うものです。
なので、そのぶんお互いのコミュニケーションの量が増えて仲良くなりやすくなる!ということもあります。
相手から見ても、あなたに好意を抱いてもらっている状態は心地よいので、一目惚れがこちら側の一方的な感情だったとしても、お互いに距離を縮めやすくなります。
そういった経緯から、一目惚れしやすい人ほど初頭効果による恩恵を受けているので、さらに一目惚れの存在を信じていく!ことになるのです。
「人に愛されたければ、まずはあなたから人を愛しなさい」ということですね。
初頭効果で嫌われる可能性もある
では、一目惚れを信じない人には初頭効果が働いていないのかというと、実はそうでもありません。
初頭効果というのは、単に「最初に感じた相手の印象」なので、良いとか悪いで決まるものではありません。
ですので、最初に会ったときに「なんか嫌な感じの人だな」と感じると、相手の嫌な側面ばかりが目に入ってきやすい!という効果もあります。
誰もが無意識に直感を働かせている
最初の印象で嫌われてしまうのは、考えてみるとけっこう損なことですよね。ただ、そういう警戒モードのおかげで自分の身を守れるケースもあるので判断が難しいところです。
直感というのは、わたしたちがその存在を信じるか信じないかに関係なく、わたしたちが見た目からでも、相手の性格や行動をある程度推測できるように機能しています。
そして実際に、そうやってわたしたちは物事や付き合う人を無意識に評価して生きているのです。