くるちょろ心理学研究所

心理学・医学・経済学の研究論文の解説と考察をしています

【愛着保障効果】愛の力がスゴい!愛情の影響力を強化する方法

 

 

愛着保障プライミング効果とは?

 

愛情や愛着を思い出すこと(愛着プライミング)は、人間関係に対するポジティブな期待や感情をもたらすことが研究で示されています。

 

たとえば、以前に紹介した心理学研究では、心がダメージを負うほどのショッキングな出来事が起きたあとで愛情を感じる写真を眺めると、自分が守られている感覚が得られ、トラウマ症状が和らぐことを解説しました。

 

これを愛着保障プライミング効果(Attachment-security priming)と呼びます。

 

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多くの愛に触れるほど効果がある

 

今回紹介する2007年の研究では、この愛着保障プライミング効果を繰り返し行うことで、メンタルが強化され、プライミングの効果がより大きくなるかどうかについて調べました。

 

これはサウサンプトン大学(イギリス)心理学部のキャサリン・B・カーネリー、ブリストル大学(イギリス)実験心理学部のアンジェラ・C・ロウ博士らの実験で、実験参加者たちに1-5回の愛着プライミング(ハグをしている写真などの愛情を感じられる画像を見る)を日にちをまたいで行いました。

 

すると、予想されたように、愛着のプライミングを繰り返しされた参加者は、1回目よりも5回目において、よりポジティブな人間関係への期待、よりポジティブな自己観・自己評価、そしてより少ない愛着不安を感じるようになりました。

 

愛着プライミングは多ければ多いほどメンタルに良い効果があるのですね。

 

愛情の効果は長続きする

 

さらに、面白いことに、これらのプライミング効果は、一般的に見られるプライミング効果(老人を見ると行動が遅くなるなど)よりも長く持続することがわかりました。

 

たいていのプライミング効果は一日もすればなくなるという感じですからね。数日(実験では2日後も効果があった)効果が続くだけでもかなりコスパが良いと言えます。

 

スウェーデンのルンド大学による2019年の実験では、最大でなんと7日間も効果が持続していました。愛情の影響力はバカにできないのです。最後に愛は勝ちますね。

 

 

可愛い動画を見てメンタルを強化!

 

実験の結果を見ると、愛着保障プライミングを繰り返すことで、脅威に対する扁桃体の活性化を抑えてネガティブな感情を抑制できる可能性が高いのです。

 

さらに、この愛着保障プライミング効果は2020年に行われた最新のシステマティックレビュー研究でも確認されていますので、科学的根拠はかなり強いです。

 

というわけで、不安になりやすい人は愛情を感じる体験を積極的に積んでメンタルを強化していきましょう。

 

初心者は、まずは愛情を感じる可愛い写真や動画を見るところから始めていくのがおすすめです。

 

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参考論文

 

Carnelley, K. B., & Rowe, A. C. (2007). Repeated priming of attachment security influences later views of self and relationships. Personal Relationships, 14(2), 307–320. 

https://doi.org/10.1111/j.1475-6811.2007.00156.x

Rowe AC, Gold ER, Carnelley KB. The Effectiveness of Attachment Security Priming in Improving Positive Affect and Reducing Negative Affect: A Systematic Review. Int J Environ Res Public Health. 2020 Feb 4;17(3):968. doi: 10.3390/ijerph17030968. PMID: 32033183; PMCID: PMC7037389.

https://doi.org/10.3390/ijerph17030968

Manuela Oehler & Elia Psouni (2019) “Partner in Prime”? Effects of repeated mobile security priming on attachment security and perceived stress in daily life, Attachment & Human Development, 21:6, 638-657, DOI: 10.1080/14616734.2018.1517811

https://doi.org/10.1080/14616734.2018.1517811