【比べる恋愛】自分と人を比べるのも悪くない!比べることで幸せになる恋人心理

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人には比べたがる性質がある

 

自分と誰かを比べるという社会的比較は、恋愛関係においても一般的な行動とされています。

 

つまり私たちは自分と恋人とを比べる習慣があるのです。

 

自分と誰かと比べるという行為は一般的にはメンタルヘルスに悪いと言われますが、実は恋人関係にあるパートナーと比べる場合には心理的により良い効果をもたらすことが確認されています。

 

さらに面白いのが、普通は誰かと比べたときに自分の方が劣っていたら気分が悪くなるものなのですが、これが相手が恋人の場合はなんと逆に気分が良くなるのです。

 

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気分が良くなる恋人との比較

 

2008年にトロント大学心理学部のレベッカ・T・ピンクス博士が、若年層と中年層のカップルを対象にした4つの研究によると、多くのカップルは毎日恋人と自分とを比較しており、多くの場合、恋人の方が特定の資質において上回っているという認識を持っていることがわかりました。

 

実験で参加者は、ロマンチックなパートナーと平均して1日1回以上の比較を行ったと報告し、さらに下向きの比較よりも上向きの方が肯定的な反応を示しました。

 

全体的にパートナーの方が優秀であると考えた人は、満足感と幸福感をより感じていました。

 

恋人との社会的な比較は抑える必要がないどころか、むしろ私たちの有益になることが多いのですね。

 

上方比較、水平比較、下方比較について

 

私たちが自分と誰かとを比べるとき、ほとんどの場合で、比較の方向は上向き(41%)で、横向き(27%)や下向き(32%)よりも頻繁にこの方向で比較しています。

 

上向きの比較とは、たとえば、特に登山が趣味でも得意でもない花子さんが自分のハイキングのスキルを、登山が趣味で得意でもある太郎さんのレベルと比較することを意味します。

 

この場合、太郎さんのハイキングスキルは、花子自身のスキルよりも優れているということを示しています。

 

つまり、相手が自分よりも優れている結果になる比べ方が上方比較です。「相手が上で、自分が下」になる比較の仕方ですね。

 

それに対し、横向きの比較である水平比較は「相手と自分が同じ」、下向きの比較である下方比較は「相手が下で自分が上」ということになります。

 

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メンタルに悪い比較の仕方とは?

 

当然ですが、上方比較をするとき、人はしばしば自己評価の脅威を感じます。

 

自分が他人よりも劣っているという事実を突きつけられるので、「自分には価値がないのではないか?」と思ってしまうのです。

 

これが「他人との比較は意味がない!」「他人と比較しても落ち込むだけだ!」とよくアドバイスされる心理的理由ですね。

 

メンタルヘルスを悪化させるリスクがあることなのでわざわざ進んでやらなくていいだろう、ということです。

 

たしかに一般的な上方比較は自己評価を下げてしまうのですが、しかし、これが恋愛の場合には結果が異なります。

 

調査に参加した人たちが恋人を対象に自分の能力を比較をした場合、上方比較をした後の方が、下方比較をした後よりもずっと気分が良くなったのです。

 

恋人と比べると気分が良くなるもの

 

比較によるポジティブな感情の高まりは、能力、技能、知識、一般特性、家事関連の領域では見られましたが、対人スキル、身体的外見、仕事関連の領域では見られなかったこともわかっています。

 

つまり、自分ができることや知っていることを恋人と共有したうえで比較すると良いコミュニケーションになるのです。

 

ただし、この際、仕事の話はNGみたいですね。まあたしかに直感的にもわかります。外見のレベルを恋人と比べる人はあまりいないでしょう。

 

また、比較の方向性にかかわらず、パートナーとの親密度が高いと回答した場合には、比較後に気分が良くなることもわかりました。

 

特に仲が良いカップルでは、自分が上だろうが相手が上だろうが気分の良さに関係ないのですね。面白い結果です。

 

 

自分の特技が恋人より劣っていても気にしない

 

さらには、自己関連性の高いドメインについても、参加者が下向きの比較よりも上向きの比較に対してより積極的に反応したことを確認しました。

 

これはつまり、自分が得意なことや持っている特技がパートナーのレベルよりも劣っていても私たちはあまり気にしない、ということです。

 

また、たとえパートナーとの上方比較が自己評価にネガティブな影響を及ぼした場合でも、ほかの人と比べるよりはずっとマシであることもわかりました。

 

恋人と自分を比較することはポジティブなフィードバックが得られやすいということですね。相手が親しい恋人なら、とりあえず自分と比べておいて損はないのです。

 

比較対象によって比較の心理効果が変わるのは興味深い現象ですね。というわけで、今度試しに比べてみてください。

 

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参考論文

 

Pinkus, R. T., Lockwood, P., Schimmack, U., & Fournier, M. A. (2008). For better and for worse: Everyday social comparisons between romantic partners. Journal of Personality and Social Psychology, 95(5), 1180–1201. 

https://doi.org/10.1037/0022-3514.95.5.1180

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