ネガティブな人は不安に強い
ネガティブな人は不安を武器に変えられる一方で、リラックスしたり褒められると能力が下がってしまうことがわかっています。
古い研究なのですが、1986年に行われたマサチューセッツ州のウェルズリー大学のジュリー K ノレム博士の実験では、ネガティブな人とポジティブな人を集めて絵を描いてもらいました。
その際に「あなたは絵が上手いから良い作品を作れるだろうね」と声をかけてから絵を描いてもらったのですが、性格の違いによって効果がまったく変わってしまったのです。
ネガティブな人は緊張するとやる気が出る
実験前に研究者が被験者を褒めてみたところ、ポジティブな性格の人は14%も点数が上がったのに対し、ネガティブな性格の人は点数が29%も下がってしまったのです。真逆の反応ですね。
このような違いが出てしまった理由は、褒め言葉を言われて不安感が減ったからです。ポジティブな人は不安感が減ったおかげでやる気が出たのに対し、ネガティブな人は不安感が減ったせいで逆にモチベーションが下がってしまうのです。
性格の違いによって褒め言葉の効果は異なる
不安感が減ると誰に対しても良い影響が出ると考えてしまいがちですが、実際にはポジティブかネガティブかという性格の違いによって真逆の効果が出てしまうのです。難しいですね。
今回の研究結果を踏まえて考えると、ネガティブな人のパフォーマンスを高めるときには、褒めたりリラックスさせるのではなく、現実的な不安を感じられる環境を作ってあげた方がいということですね。ネガティブな人はその方がやる気が上がって良い結果に結び付くのです。
不安感を調整してやる気を上げよう
というわけで、部下や子供の教育を行うときはもちろんのこと、自分自身に対しても不安感を上手く調整してあげてましょう。
自分がネガティブな性格の場合には不安を与えて、ポジティブな性格の場合には不安要素を排除してリラックスさせていきましょう。そうすることで普段よりも高い能力を発揮することができるようになります。