マインドフルネス瞑想の初歩
少し前に話題になった、チャディー・メン・タン著の「サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法」という本にはGoogleが社内研修で行っているマインドフルネス瞑想の方法が書かれています。
本書はマインドフルネス瞑想初心者の人が、難しいことをあれこれ考えずに瞑想を行えるようにシンプルな手順で瞑想を解説してくれています。
そこで今回は、本書の内容を参考にして、Google式マインドフルネス瞑想のやり方を紹介していきます。
Google式マインドフルネス瞑想、4つの手順
Google式マインドフルネス瞑想は以下の4つの段階を踏んで進んでいきます。
- 2分間、ボーっとする
- 3分間、呼吸に集中する
- 7分間、ボーっとする
- マインドフルネスリスニング(傾聴)
以上のようにGoogle式マインドフルネス瞑想は4つの段階に踏んでいき、徐々に難しい瞑想にレベルを上げていくデザインになっています。というわけで、簡単なほうから順番に解説していきます。
2分間、何もしない
まずは2分間だけでいいので、ただ座って何もせず、じっと過ごす時間を作ります。言葉にすると簡単なようですが、初心者には意外と難しい行為です。
この瞑想の際には、当たり前ですが、キョロキョロと周りを見渡したり、居眠りをしたり、考えごとをしたりしてはいけません。この2分間の間にあなたがしていいのは、呼吸だけとなっています。
感情や思考が頭の中によぎったら、それをただ観察します。
一番簡単なマインドフルネス瞑想
この2分間瞑想は、著者のチャディー・メン・タンが言うには「世界で一番簡単なマインドフルネス瞑想」らしいです。確かにほかの瞑想と比べるとかなり簡単なほうですが、慣れていない人がやると難しいのも事実です。
なので、たった2分間の瞑想ですが、2分間できなくても落ち込まずに徐々に時間を伸ばしていきましょう。
アプリのタイマーなどを使って、音が鳴るまで集中できるようにしましょう。
3分間呼吸に集中する
2分間の瞑想ができるようになったら、次は呼吸に集中して行う3分間の瞑想へとステップアップします。
この呼吸瞑想でのポイントは、呼吸をするときに自分の息が鼻の中を入ったり通りぬけたりする感覚に意識を向け続けることです。
呼吸に意識を向ける瞑想は、場所や時間は問わずに、仕事中や勉強中でも、作業への集中力が切れたときに実践してみると良いです。
7分間、ボーっとする
3分間の呼吸瞑想になれたら、次に7分の瞑想にチャレンジします。ただじっとして無意識に出てくる思考や感情を観察したり、先ほどの呼吸瞑想を行って7分間を耐え忍びます。
すべての瞑想に言えることですが、たとえ意識が逸れて余計なことを考えたりしてしまっても、意識が逸れたことに気付いた時点で意識を戻し、集中し直せば大丈夫です。
マインドフルネスリスニング(傾聴)
最後のステップは友人や家族といった他者と協力して行う内容となっています。マインドフルネスリスニング(傾聴)は、呼吸に意識を集中するように、相手の話だけを3分間マインドフルな状態で聴き続けます。
このとき相手に何か言いたくなっても口に出すことはせず、考えが浮かんでもそれについて考えることはせず、相手の話に意識を集中します。
相手の主張が正しいかどうかや、自分の考えと合っているかどうかといった部分は気にせず、ただひたすら気持ちを受け止めて話を聴いてあげます。3分間経ったら、話の内容を相手に確認して終わります。
相手の話に耳を傾けて心開かせるためのアクティブリスニングを成功させる4つのポイント🔻
1意味もなく話題を突然変えないこと
2相手の話を遮って中断させないこと
3安易な表現で相手を適当に元気付けないこと
4会話にプレッシャーをかけさせないことこれらのポイントを守って会話しましょう!
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2019年12月25日
慣れてきたら時間を増やして集中力を維持する
というわけで、Google式マインドフルネス瞑想を身に着けるために4ステップでした。最後のマインドフルネスリスニング以外は、どこでも行える簡単な瞑想ですのでぜひお試しください。
時間がある時だけでもこうして大きな時間をマインドフルネス瞑想に充てることで脳みその状態がリセットされてスッキリできますし、これまでの研究で紹介したように様々な効果が得られます。
まずは2分の簡単な瞑想から始めて、トレーニングが進めていきましょう。もちろん慣れてきたら、10分、20分に瞑想時間を拡大していくと良いです。時間が長くなればなるほど集中力が持続できるようになった証拠です。頑張りましょう。
参考文献
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法 Kindle版(ソフトカバー) – 2016/5/17
チャディー・メン・タン (著), ダニエル・ゴールマン(序文) (著), 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート (監修), 柴田裕之 (翻訳)