- 人は好きな人の真似をして生きている
- 同じ行動をとることで理解しようとしている
- グループ内で心理状態は感染する
- 明るい人といると、あなたの性格も明るくなる
- 暗い性格の人といると、不安になる
- 他人から言われたことは無意識に気にしている
- 頭の良さも感染する
行動や性格はうつる!
性格や思考は人から人へと感染します。
私たちは遺伝子の影響を受けるのと同じように、友達や日常生活でよく関わる人たちから影響を受けています。しかもそれは自分たちで思っているよりも大きな影響です。
なんとなく友達の真似をしたり、友達が始めたことを一緒になって始めたり、考え方や価値観も自然と似通ってきます。
人は好きな人の真似をして生きている
一般的に考え方や性格、趣味といったものは個人の自由な意思とアイデンティティで決まると考えますが、こういったものもすべて友達からの影響を受けるだけでなく、習慣をそのまま取り入れてしまうことが多いのです。
長年寄り添った夫婦が似てくるというのは、この現象のためです。私たちは親しい人や好きな人の言葉遣いや行動を真似る習性を持っています。
好きな人と同じことをしていると楽しく感じるものなのです。
同じ行動をとることで理解しようとしている
ペアルックとかペアアクセサリーをするのも、そうすることでお互いの心理的な距離が近づいていると思えるからです。
同じ行動をとったり同じものを身につけることで、相手の気持ちを理解しようと努めているのです。これもひとつの心理的な感染現象です。
そして、こうした細かな同調行動が日常的に積み重なることで、考え方や性格も同じように感染していくのです。
グループ内で心理状態は感染する
アメリカ、カリフォルニア州立大学のサイ博士は、日頃から付き合いのある人たちは、お互いの心理状態が感染するということを発見しました。
私たちは、明るい人といることで明るい性格になり、暗い人といることで暗い性格になるのです。
どうしてそのような性格の変化が起こるのかというと、性格の明るい人と性格の暗い人とでは出てくる話題が違うからです。
明るい人といると、あなたの性格も明るくなる
明るい性格の人たちは物事の明るい面を見つけるのが得意で、脳みそもそのようにカスタマイズされています。
ですから一般的な話題や世間話をしているときでも、自然と明るいイメージが持てるような話の仕方をするのです。
明るい話題をしているとそれだけで私たちは気分が良くなりますから、性格も明るくなっていきます。
明るい思考ができる人と一緒に過ごすことで、世の中の良い側面を見つける能力が開発されていくのですね。
暗い性格の人といると、不安になる
これが性格の暗い人だと、彼らは物事の暗い面ばかりを見てしまいます。
すると、今度は逆に嫌な話や不快なニュースばかりが目につくようになり、ものの考え方も暗くなっていきます。暗い話ばかりされると段々と不安が募っていきますよね。
そんなふうにして日常的に心配事をについて考えるようになり、性格も暗くなってきてしまうのです。
ですので、友達選びは人生においてかなり重要なのです。私たちの性格や考え方、行動すらも変えてしまうほどの影響力を持つのが友達ですから、恋人や結婚相手を選ぶくらい真面目に取り組んでもいいかもしれません。
他人から言われたことは無意識に気にしている
この他人の意見や感情が感染するように人から人へ移っていく現象を指摘している科学者は他にもいます。
同じくアメリカのアリゾナ大学のブレイナード博士も、他人に言われたことは自分でも気づかないうちに意識の中に紛れ込んで暗示の効果をもたらすことを指摘しています。
友達や家族の言動というのは知らないうちに私たちの性格や生き方に多大な影響を及ぼしているのです。
この心理効果があるために、人からひどいことを言われたり、自信をなくすような発言を繰り返し耳にすると、私たちは行動する意欲を失ってしまいます。
あるいは、「あなたはこういうものが好きだよね?」ですとか「私はこういうのが好きなんだけど」という友達の話に合わせていくうちにそういう趣味嗜好が形成されていくこともあります。
頭の良さも感染する
実は教育に対する姿勢も友達から感染することはわかっています。
ある人が勉強好きになるかどうかは周りにそういう人がいるかどうかや、勉強することをバカにする人がいないこと、勉強よりも優先する趣味を持っている人がいないことなどが大きく影響しているのです。
要するに、親や教師が「勉強しなさい」と言っても効果はないのです。影響力で言うと、子供たちにとって最も重要な人間関係は家族ではなく友達なのです。
家族は育った子供を手放すことはほとんどしませんしイジメたりもしませんが、対等な友達関係ではそれが起こり得ます。
ですから、家族や親よりも友達からの影響が強くなるように自然と脳内のシステムが設計されているのです。
というわけで、幼少期に限らず、大人になってからも友達選びは重要だということは覚えておいてください。
自分の中で理想とする人間像があるのなら、それに近い人たちを友人や付き合う人に選び、過ごしていくことがおすすめです。
付き合いのある人はお互いに性格や考え方が感染する
明るい人といるとポジティブな思考になる
暗い人といるとネガティブな思考になる