【金銭感覚と恋人選び】お金の使い方で変わる好きになる恋人のタイプ

お金の心理学
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2種類の金銭感覚で変わるお金の使い方

「類は友を呼ぶ」「自分と似た人と仲良くなる」という心理的傾向は、多くの研究で明らかにされていますが、お金の消費に関しては、性格が正反対のもの同士のほうがお互いに引き寄せられることが多いとわかっています。

お金の消費タイプは2種類あります。より少ないお金を使う人と、より多くのお金を使う人です。

つまり、理想的とされる支出額よりも少ない支出をする倹約家タイプと、理想的とされる支出額よりも多い支出をする浪費家タイプです(実際には理想通りのお金の使い方ができるバランスタイプもいるでしょう)。

倹約と浪費、このように異なる消費タイプの人同士は、お互いに惹かれあい、結婚する傾向があります。

よく「付き合う人は自分と金銭感覚が一緒の人がいい」という話を聞きますが、意外にも実際はこの逆になることが多いのです。不思議ですね。

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消費タイプが異なる相手との恋愛はうまくいかない

しかし、このように私たちは自分とは異なる消費タイプの人間に魅力を感じてしまうのにもかかわらず、金銭感覚が異なるもの同士で結婚してもうまくはいきません。

二人の性格の違いは金銭面での対立を増やし、結果的に夫婦の幸福度が低下してしまうことがわかっています。

つまり、一度はお互いを好きにはなるのですが、結婚して一緒に暮らし始めると金銭感覚の不一致が問題を起こし、カップルの幸福度が下がってしまうのです。

やはり金銭感覚がカップル間でズレていると、もめ事の種になってしまうようですね。そう考えると、「付き合う人は自分と金銭感覚が一緒の人がいい」という考えは正しいのです。

 

お金がないから喧嘩するわけではない

さらに恐ろしいのは、こうしたお金の使い方に対する喧嘩は、二人に借金がなく、お金の貯蓄が十分にあったとしても起きてしまうことがわかっています。

浪費家の恋人がお金を使いすぎたせいで夫婦で使うお金がなくなって困ってしまうから喧嘩が増えるわけではないのです。

恋愛に関する研究では、私たちは自分のタイプと異なる相手を求めていると自分では思っているのですが、実際には性格やルックスが自分と一致する相手を求める傾向があることが明らかになっています。

美女と野獣カップルも世の中にはいますが、統計的に多いのは同じレベルの魅力を持ったカップルなのです。恋愛においても理想と現実はけっこうズレるものなのですね。

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ケチな人ほど無駄遣いする人に惹かれる

1,000人以上の既婚者と未婚者を対象にした2011年のミシガン大学ロスビジネススクールのスコット・I・リック、ペンシルベニア大学ウォートンスクールのデボラ・A・スモール、ノースウェスタン大学のイーライ・J・フィンケル教授らの研究によると、経済的な部分でも異性の好みが決まることが明らかになりました。

この研究では、お金に厳しい倹約家とお財布のひもが緩い浪費家のどちらであっても、参加者はお金を使うことに対して反射的に不満を感じていました。誰でもお金を使うのは嫌なのです。

にもかかわらず、この支出に対する不満が大きい人ほど、反対に、支出に対する不満が小さい人に惹かれる傾向がありました。

つまり、ケチな人ほど無駄遣いをする人を好きになりやすいという結果が出たのです。

しかし、先程も言ったとおり自分の金銭感覚と反対のパートナーと結婚すると、お金をめぐる争いが大きくなり、長期的には結婚生活の満足度が低下することも判明しました。この結果は、収入、負債、貯蓄を考慮した場合でも同様でした。

 

浪費家同士のカップルは喧嘩が起きにくい

一方で、浪費家同士の結婚では、倹約家と浪費家の結婚よりも借金が多くなるのにもかかわらず、浪費家同士の方がお金のことで言い争いになることが少なく、幸福度が高くなっていました。

やはりお金があるかどうかではなく、相手のお金の使い方を見てストレスを感じてしまうようですね。特に倹約家の人はお金を使うことに対するストレスを感じやすいのです。

逆に浪費家タイプの人はお金の消費にそこまでストレスを感じないので、恋人のする浪費にも比較的寛容な態度でいられます。

この研究結果を踏まえて、リック博士は、未婚の人がこれから結婚する相手を選ぶ場合、相手は自分と同じ消費タイプにするべきだろうと述べています。

 

お金の使い方は子供の時から決まっている

また、2018年に行われたミシガン大学のスコット・リック博士の研究によると、このようなお金の使い方に対する心理的傾向は、私たちが5歳のころからすでに表れ始めることがわかっています。

「三つ子の魂百まで」とは言いますが、浪費癖や倹約癖も幼いころにすでに決まっているのですね。

というわけで、お金の使い方に関して、あなたも恋人の癖をよく観察しておきましょう。

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参考論文

Rick, S. Tightwads and spendthrifts: An interdisciplinary review. Financial Planning Review. 2018; 1:e1010. 

https://doi.org/10.1002/cfp2.1010

Rick, Scott I., Deborah A. Small, and Eli J. Finkel. “Fatal (Fiscal) Attraction: Spendthrifts and Tightwads in Marriage.” Journal of Marketing Research 48, no. 2 (April 2011): 228–37. 

https://doi.org/10.1509/jmkr.48.2.228.

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