くるちょろ心理学研究所

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【性格と行動】癖や行動でわかる!その人のビッグファイブ性格特性

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性格と人生には関連がある

 

辛い料理をよく食べたり、シャワーを浴びながら歌ったりと、一見すると何でもないような行動が、その人の性格をよく表していることがあります。

 

性格が心理学的に重要な概念である理由の1つは、それが私たちがどのような人生を送ることになるのか、あるいはどのように行動すればより良い人生を送れるのようになるのかを前もって教えてくれるからです。

 

例えば、非常に誠実な人は、健康的で和やかな人間関係を享受する可能性が高く、外向的な人は人付き合いが多彩で幸福度が高くなります。

 

ほかにも、神経質な人は精神的な問題を抱える可能性が高く、開放性の高い人は高収入を得られる可能性が高く、協調的な人は仲間内のなかでも特に人気者で友人の数も多くなります。

 

性格と行動習慣との関連

 

私たちの個性は、長期的な成功や幸福だけでなく、日常的な行動にも表れます。性格は、私たちが日常的に行っていることにも相関しているのです。

 

ロチェスター大学のベンジャミン・P・チャップマン、オレゴン研究所のルイス・R・ゴールドバーグ博士らの2017年の研究では、ビッグファイブの性格特性をあらわす行動が、さらにいくつか見つかっています。

 

例えば、外向的な人は人の集まるパーティーに行きやすく、タトゥーを入れる傾向にあるということはわかりやすい特徴ですが、ほかにも湯船に浸かってのんびりと時間を過ごすことが好きという特徴を持っています。

 

また、誠実な人が遅刻しにくいのは多くの人のイメージ通りですが、意外にも、本を読む量が少ないという傾向があることがわかっています。

 

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性格と行動習慣を調べた研究

 

性格と行動習慣に関するこの研究は、米国オレゴン州に住む800人近くの人々(平均年齢は51歳)を対象に行われました。

 

参加者には、まず最初に性格テストを受けてもらい、それぞれが持つビッグファイブ性格特性を割り出しました。

 

このテストでは、シャイ、親切、きれい好き、リラックスしている、気分屋、明るい、芸術的といった言葉を含む100種類の特徴的な形容詞が、自分の性格をどれだけ正確に表現しているかを評価してもらいました。

 

次に、これらの性格テストのスコアと、4年後に記録された同じ参加者の400種類の活動(本を読んだり、シャワー中に歌ったりするなど)をどのくらいの頻度で行ったかについて回答してもらい、ふたつの結果を比較しました。

 

すると、それぞれの性格は次のような活動と関連していることが分かりました。

 

5つの特性における日常の特徴的習慣・行動

 

外向性の高い人の特徴

 

外向的な人は当然ながらパーティーに参加することが好きで、自分から集まりを計画することも多いです。また、バーでお酒を飲むことも好きです。

 

人付き合いが好きだからなのか、面白いことに、外向的な人はお金儲けについてほかの人と議論することが多くなります。

 

また、最初にも言ったとおり、タトゥーを入れている人が多く、お風呂でゆっくりとくつろぐことも好きです。

 

ほかには、外向的な人は運転中に電話をよくする傾向があり、部屋の飾り付けや模様替えが好きで、日焼けをすることも多いです。

 

外向的な人が持つほとんどの特徴は、一般的なパリピや陽キャのイメージそのままという感じですね。

 

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誠実性の高い人の特徴

 

誠実性の高い人は滅多に遅刻しません。ほかにも、読書をしたり、他人の悪口を言ったり、鉛筆を噛むといったあまり害のない娯楽的な活動を控える傾向にあります。

 

誠実性の高さと娯楽活動が結びつきにくいのは、彼らの真面目な性格が原因だと考えられます。

 

例えば、彼らは余暇の時間に読書することを贅沢なものととらえているため、空いた時間に読書することを控えるのです。

 

ほかには、腕時計を身につける、髪をとかす傾向があり、靴を磨く時間が長いことも明らかにされています。誠実な人ほど身だしなみに気を付けているのですね。

 

協調性が高い人の特徴

 

協調性が高い人は、アイロンがけ、子供と一緒に遊ぶ、皿洗いといったことに多くの時間を費やしていると答えています。

 

これは、彼らに他人を幸せにしたいという意欲があるために、家事を行うのだと思われます。

 

協調性が高い人は、家庭内で問題や争いを起こすくらいなら、自分から積極的に家事をしたほうがいいと考えているのです。

 

また、シャワーや車の運転中に歌を歌う人が多いという意外な一面もあります。彼らはスピード違反で捕まることが少なく、甘い食べ物を好物にあげる特徴があります。

 

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神経症的傾向が高い人の特徴

 

神経症的傾向が高い人は、精神安定剤や抗うつ剤の服用など、精神的問題の緩和に関連した行動が増えてしまう傾向があります。

 

また彼らは、精神的苦痛の軽減に関連する活動をより頻繁に行っていました。ストレスが多いためにストレス解消を頻繁に行っているのです。

 

しかし、そうして頻繁にストレスを解消している一方で、すぐにカッとなったり、他人をからかうといった反社会的行為も高くなっていました。

 

これらはおそらく、彼らが自身の感情をうまく管理できていないことが原因だと考えられています。

 

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開放性が高い人の特徴

 

開放性が高い人は、詩を読んだり、オペラ鑑賞をしたり、芸術作品を作り上げる傾向があります。

 

その一方で、マリファナなどドラッグの使用といった反社会的行動が明白に増えます。これは好奇心の高さから、自分でも一度は試してみたいと思う気持ちが強くなるからです。

 

また彼らは意外にも、他人を罵り、朝食に辛いものを食べる傾向があることがわかっています。開放性が高い人はブラックジョークを言いがちなのです。

 

これは一般的なイメージとはまったく逆なのですが、心が広い人ほど他者に罵声を浴びせるのです。

 

そして面白いことに、彼らは裸で家の中を歩き回る習慣がありました。

 

開放性が高い人は、開放性が低い人に比べて、過去1年間に15回以上裸で過ごしたことがあると答えた数が約2倍でした。開放性が高い人は裸族なのです。

 

さらに、開放性が高い人はひいきのスポーツチームを持つことも少なく、ほかの研究結果が示すように、果物や野菜を好み、芸術実験映画を観る、甘口よりは辛口の白ワインを好みます。

 

といった感じです。これらの傾向は、あなたがそれぞれの性格特性を高めたいと思ったときに参考になるかもしれません。

 

 

ネガティブな行動がネガティブな性格と結びつくわけではない

 

今回の調査結果には、示唆に富む要素も含まれています。

 

例えば、ある人が頻繁に人に罵声を浴びせているとしたら、その習慣はその人の心の広さの表れであるかもしれませんし、タトゥーを入れている人を見れば人付き合いが好きな人なのだわかって警戒する必要が薄れるかもしれません。

 

結局のところ、どんな性格特性にも弱点や一般的には好ましくないと思う点があるものなのです。

 

しかし、それはその人の好ましい性格特性の裏返しかもしれないのです。一般的に悪いとされる性格でも、実は治さなくてもいいのかもしれませんね。

 

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参考論文

 

Chapman, Benjamin & Goldberg, Lewis. (2017). Act-Frequency Signatures of the Big Five. Personality and Individual Differences. 116. 201-205. 10.1016/j.paid.2017.04.049. 

https://doi.org/10.1016/j.paid.2017.04.049