挑戦の気持ちはどう生まれる?
不安を感じるてしまうのは仕方のないことです。脳に障害がない限り、どんな人でも不安は感じるようにできています。
問題なのは不安を感じすぎてしまっていて、心から望んでいる行動が実行に移せないという状態です。こうなってしまうと、ちょっとネガティブな状態にあるメンタルにさらなる不調が生じてきます。
最初に不安を否定せず受け入れる
しかし、こうした問題も心理学の知識を使えば誰でも改善することができます。今回も前回と同様に、不安な気持ちに向き合って少しずつ挑戦できるようになるための方法について話していきますので、不安に敏感な人たちは参考にしてみてください。
そもそも不安な気持ちというのは誰にだってあるものですし、いつだって起こりうる感情のひとつです。他の動物と同じように、人間の感じるあらゆる感情は脳みその大脳辺縁系という場所で反射的に作られています。なので、健康な人である限りは感情が芽生えるということはまずどうやっても防ぎようがありません。
というわけで今回は不安を感じる前ではなく、不安を感じたあとの行動に注目してみましょう。不安を感じると人は萎縮してしまいます。心理的にも萎縮してしまいますが、物理的にも萎縮してしまいます。この物理的な萎縮が様々な問題に繋がるのです。
感情と行動は相互に影響を受け合っている
物理的な萎縮とは不安を感じて行動しなくなるということです。
実は不安という感情を厄介なものにしてしまっているのは、この物理的な萎縮の方が主な原因です。そこでこの物理的な萎縮を起こさせない方法を紹介します。
人の心というのは、ある感情が芽生えてその感情と結びついた行動をしたくなります。しかしそれだけではなく、人の心というのは、その逆に、ある行動を取ることでその行動と結びついた感情を生み出すこともするのです。
行動しないと不安が大きくなる理由
つまり怖いから行動したくないというだけではなく、行動しないから怖く感じるようにもシステム設計されているのです。
心理テクニックでよく使われるフィードバックというやつですね。これを本ブログではフィジカルフィードバック(行動フィードバック)と呼ぶことにします。
一般的な流れである「感情→行動」というメンタルフィードバックではなく、「行動→感情」というフィジカルフィードバックを使うことで不安感情をコントロールするのです。
この心理テクニックを使えば、行動をすることで恐怖を消すことができます。では、具体的にどんな行動をすればよいのか?
フィジカルフィードバックを使う方法
大切なのは小さな行動を繰り返すということです。そうして小さな行動を積み重ねていくことで私たちは最初に抱いていた恐怖に慣れていき、そのうちに感情を安定させられるようになります。
初めて自転車に乗るとき、最初からツーリングに出掛ける人がいますか?
初めて車を運転するとき、最初から日本縦断をする人がいますか?
見たことのない食べ物を食べなくちゃいけないとき、かぶりつくように平らげようとする人がいますか?
いませんよね、たいていの人はちょっとずつやっていきます。そんなふうにして、やりたい挑戦もちょっとずつやっていけばいいのです。最初から大きなことをやろうとしてもうまくはいきませんし、不安に飲み込まれて行動できなくなってしまいますからね。
成功率が低くても成功できる理由
これはよくあるプロ野球の例えですが、試合にまだ一度も出たこともない状態では最初からイチローみたいなプレーをすることはできません。練習も含めて何度も試合に出て、バッターボックスでバットを振って、空振りしたりヒットを打ちながら私たちは成長していくものです。
そこまで一生懸命に練習をしても名人の打率は3割です。一流のプロでも10回中7回は失敗するのです。でも、それでいいのです。なぜならその低い成功率でも十分成功できるようにシステムが設計されているからです。
10割の成功を目指すと何もできなくなりますし、挑戦する人を批判したくもなります。10割の成功率を目指してしまったら一度失敗したら即終わりですからね。だからこそ行動を小さくすることで失敗の影響力も小さくし、失敗してもいいように調整する必要があるのです。
成功率は1割でもそれ以下でもいい
先ほどはプロ野球の打率を例に成功率を3割としましたが、この成功率は1割やそれ以下に設定してもいいですし、最初はそれくらい小さいものにしておきましょう。
成功率が小さくても失敗することが多くても大した問題が起きないように、挑戦や目標を小さく縮小していくことで不安のコントロールが上手になっていきます。
そうやって小さな挑戦によって感情を安定させたあとで、大きな挑戦をするというのがメンタルを傷つけないための健康的な挑戦方法です。
というわけで不安を感じた時点で行動するようにしていきましょう。行動していけば不安はやがて消えていきます。