【セルフコンパッション】自分を思いやる!セルフコンパッションを心理解説

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セルフコンパッションとは?

 

今回から心の健康に重要なセルフコンパッションについて解説していきます。

 

セルフコンパッション(Self-compassion)とは、自覚している欠点、失敗、または一般的な苦痛に対して、自分自身への同情を拡張することです。

 

日本語では「自己思いやり」「自己親切」などと訳されます。簡単に言うと、自分に思いやりを持って、他者にするように自分自身にも優しく接してあげよう!という考え方です。

 

なぜわざわざ「自分にも優しくしよう!」という考えを意識して実践しないといけないのかというと、人間は意外と自分自身に厳しくしすぎているからです。

 

過去を振り返ってみて、思い当たる節がある人もいるのではないでしょうか?だからこそ、私たちは意識して自分に優しくする技術を身に着ける必要があるのですね。

 

セルフコンパッション研究の第一人者であるテキサス大学オースティン校の教育心理学部の准教授クリスティーン・ネフ博士によると、セルフコンパッションは、自分への優しさ、共通の人間性、および注意力(マインドフルネス)という3つの主要な要素で構成されると定義されています。

 

セルフコンパッションを構成する3つの要素

自分への優しさ

 

悲しみや個人的な欠点に直面したときに、それらを無視したり、自己批判で自分を傷つけたりするのではなく、自分に向かって温かく接すること。

 

つまり、他人を思いやるときと同じように、自分にも優しくする態度を持とう!ということです。

 

共通の人間性

 

苦しみや個人的な失敗を遠ざけるのではなく、人間の共通の経験の一部であると認識すること。また、人間は周囲との関わりのなかで生きているという事実を自覚すること。

 

つまり、誰だって苦しい時があれば失敗することもあるのだから、自分の失敗や落ち込みに対しても、その考えを持って寛容になろう!ということです。

 

注意力、マインドフルネス

 

感情が抑制されたり誇張されたりしないように、否定的な感情に対してバランスの取れたアプローチを取ること。否定的な考えや感情はオープンにして観察し、マインドフルな意識の中に保つこと。

 

マインドフルネスとは、個人が自分の考えや感情を抑制したり否定したりすることなく、そのまま観察したり、良し悪しの判断をしない受容的な精神状態のことです。

 

つまり、思考や感情にとらわれることなく、目の前の現実だけに意識を向けられる態度を持とう!ということです。

 

セルフコンパッションに似ているが異なるもの

 

セルフコンパッションは、自信、自尊心、自己肯定感、自己効用感とは異なる考え方です。

 

セルフコンパッションは、自分が被害者であると信じ、不利な状況を対処する自信と能力を欠いていると思う自己憐憫(Self-pity)とも異なります。

 

また、ナルシシズム、自己満足といった状態とも違います。このあたりの概念は間違えやすいので、いずれ詳しく解説していきます。

 

今回はとにかく、「上記の概念たちとセルフコンパッションはそれぞれ違う考え方である!」ということだけを理解しておけば大丈夫です。

 

逆に、セルフコンパッションの内容に似ているものとしては、「自己受容(セルフアクセプタンス)」、仏教やマインドフルネス瞑想における「慈悲(loving-kindness)」という概念が近い考え方です。なので、内容も少しかぶるところがあります。

 

「失敗をしていようが問題を抱えていようが、それが人の性分なのだからあなたもそれでいいのだ!」という感じですね。

 

バカボンのパパはセルフコンパッション能力が高いのかもしれません笑。

 

セルフコンパッションの心理的効果、影響は?

 

研究によれば、セルフコンパッションのある人は、それがない人よりも大きな心理的健康を得ていることがわかっています。

 

たとえばセルフコンパッションは、人生の満足、知恵、幸福、楽観主義、好奇心、学習目標、社会的つながり、個人的責任およびレジリエンスと積極的に関連していまして、これらはどれも成功や幸せに必要なものです。

 

同時にセルフコンパッションは、自己批判、鬱病、不安、反芻、思考抑制、完璧主義および摂食障害といった心理的な健康を損なう指標のレベル低下と関連しています。

 

また、慢性的な痛みの緩和、先延ばし癖の改善、燃え尽き症候群対策などの効果も、研究の結果から認められています。

 

つまり、幸せに必要なものを育て、一方で不幸を増加させるリスクを遠ざけてくれるのが、セルフコンパッションの効果なのです。

 

次回は、「自分を思いやるとはどういうことか?」について解説していきます。

 

参考論文、資料

 

Neff K.D., Dahm K.A. (2015) Self-Compassion: What It Is, What It Does, and How It Relates to Mindfulness. In: Ostafin B., Robinson M., Meier B. (eds) Handbook of Mindfulness and Self-Regulation. Springer, New York, NY. 

https://doi.org/10.1007/978-1-4939-2263-5_10

Kristin D. Neff, Tiffany A. Whittaker & Anke Karl (2017) Examining the Factor Structure of the Self-Compassion Scale in Four Distinct Populations: Is the Use of a Total Scale Score Justified?, Journal of Personality Assessment, 99:6, 596-607, DOI: 10.1080/00223891.2016.1269334

https://doi.org/10.1080/00223891.2016.1269334

Neff KD, Germer CK. A pilot study and randomized controlled trial of the mindful self-compassion program. J Clin Psychol. 2013 Jan;69(1):28-44. doi: 10.1002/jclp.21923. Epub 2012 Oct 15. PMID: 23070875.

https://doi.org/10.1002/jclp.21923

KRISTIN D. NEFF (2003) The Development and Validation of a Scale to Measure Self-Compassion, Self and Identity, 2:3, 223-250, DOI: 10.1080/15298860309027

https://doi.org/10.1080/15298860309027

セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる 単行本 – 2014/11/26

クリスティーン・ネフ (著), 石村 郁夫 (翻訳), 樫村 正美 (翻訳)

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