くるちょろ心理学研究所

心理学・医学・経済学の研究論文の解説と考察をしています

軽い運動の効果は軽くない!1日たった5分の運動で死亡率が大幅低下

 

 

負荷の軽い運動を短時間おこなうだけでOK

 

運動の健康効果が大きいことは周知の事実ですが、実はあまり激しくもなければ複雑でもない運動を短時間行うだけでもかなりメリットがあることがわかっています。

 

どうやら私たちが普段思っている以上に、負荷の軽い運動がもたらす健康効果は大きいようです。

 

2014年に行われたアイオワ州立大学人間科学部運動学科のダック・チョル・リー、サウスカロライナ大学アーノルド公衆衛生大学院運動学部のラッセル・R・ペイト、シュエメイ・スイ 、スティーブン・N・ブレア、クイーンズランド大学医学部オクスナークリニカルスクールのカール・J・ラヴィー 、ルイジアナ州立大学のペニントン生物医学研究センターのティモシー・S・チャーチ博士らの研究によると、たった5分のランニングをするだけで死亡リスクを大きく下げられることが判明しています。

 

5分間のランニングによる健康効果

 

この研究では、年齢が18〜100歳(平均44歳)の55,137人のデータ過去15年分を対象に統計処理をした大規模な調査で、エクササイズの中でも一般敵に人気の高いランニングと全死亡原因および心血管系の死亡リスクとの関連について調べられました。

 

そしてその結果、1日5〜10分で速度が時速6マイル(時速10km)未満の低い速度でも、すべての原因による死亡リスクと心血管疾患のリスクが著しく低下することがわかりました。

 

わりと軽めのジョギングを1日たった5分間やるだけで死亡リスクが大きく低下するなんてすごい話ですね。

 

「たった5分の運動なんて意味がない!」と思って軽視しがちですが、実際にはかなり意味があるのです。

 

kruchoro.com

 

5~15分の運動で下がる死亡率の割合

 

数字を具体的に見てみますと、1日5分だけ時速10kmのランニングをしただけでも、全死亡率が16%も下がり、心疾患系の病気での死亡率が25%も下がります

 

さらに、この時間が1日15分に伸びれば、全死亡率が30%も減少し、心疾患系の病気にいたっては死亡する確率を45%も減少させる効果がありました。

 

健康のために運動をする!と考えると、「最低でも1日20~30分くらいは時間を取らないとダメなんじゃないの?」と考えてしまいますが、5分でも十分!と言われるとかなりハードルが下がるのでやる気が出ますね。

 

例えば、世界保健機関と米国政府の身体活動ガイドラインでは、週に少なくとも150分の中程度の強度または75分の激しい強度の有酸素運動を推奨していますが、今回の研究結果はこれを大幅に下回る数字ですからね。

 

ランニングは禁煙するのと同じくらい重要!

 

研究者は、ランニングは、喫煙、肥満、高血圧などの他の因子と同じくらい重要だと述べていまして、これを見るといかに1日5分間のランニングが健康効果をもたらすのかがよくわかりますね。

 

ランニング以外のエクササイズでも同じ効果が得られるかどうかまではこの研究では明らかにされていませんが、ここで重要なのは運動の内容よりも運動の強度だと言われています。

 

たとえばランニングの代わりに、短時間で高負荷の有酸素運動をする「HIIT」や、筋トレと有酸素運動を組み合わせた「サーキットトレーニング」をするのもいいでしょう。

 

重要なのは時速10kmのランニングと同じくらいに疲れる運動を1日に5分やるということです。

 

 

健康効果の上限は週に150分

 

ちなみに、この研究ではランニングによる健康効果の上限は週に150分でした。

 

つまり、走れば走るほど健康になるわけではなく週に150分以上走ってもそれ以上死亡リスクが下がることはないようです。

 

健康維持を目的にランニングをするのなら、こちらの数字も参考にしていただければ幸いです。

 

kruchoro.com

 

参考論文

 

Lee DC, Pate RR, Lavie CJ, Sui X, Church TS, Blair SN. Leisure-time running reduces all-cause and cardiovascular mortality risk [published correction appears in J Am Coll Cardiol. 2014 Oct 7;64(14):1537]. J Am Coll Cardiol. 2014;64(5):472-481. doi:10.1016/j.jacc.2014.04.058

https://doi.org/10.1016/j.jacc.2014.04.058