接触しすぎると嫌われる?
単純接触効果という有名な心理効果がありますが、「これって接触する回数が多すぎても問題ないの?」ということは気になるところです。
これについて調べた研究があったので今回はそれを紹介します。さらにはこの単純接触効果を最大限に高める方法も合わせて紹介していきます。
今回の内容はマーケティング心理学に基づいた話ですのでビジネスに使えますし、もちろん人との触れ合いにも使えます。商品やサービスを売り出したかったり、簡単に誰かと仲良くなりたい場合に役立つ心理術ですね。
接触回数は多ければ多いほどいい
アメリカ、オハイオ州立大学のリー マックロー博士とトーマス オストロム博士は、広告を目にする回数が消費者にどのような心理的影響を与えるのかを広告表示の実験して調べました。
すると、広告を一回よりも複数回見せられた人たちは、その広告に載っている商品を好ましく評価しました。しかもです。広告を見せられる回数は増えれば増えるほど評価が高くなったのです。
何度も繰り返し広告を目にすることで親近感が湧いて商品のことが好きになっていったんですね。このへんは単純接触効果の実験とも同じ結果が出ましたね。以前に触れ合う時間の長さだけが人と仲良くなるコツだという話をしましたが、その研究内容とも合致する結果です。
マッコロー博士の実験では、1〜5回の間で広告の表示数が調整されましたが、一番評価が高かったのは広告が5回表示されたグループでした。
イメージは何度もアピールするだけで記憶に残りやすくなるのです。人を説得をする際には質より量なのです。
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マイナーチェンジをするともっと効果的!
でも、何度も同じ広告を見せられるとかえってうんざりするんじゃないの? ということで、それについても調べた研究があります。
同じくオハイオ州立大学のアナヴァ博士の研究では、広告の見せる回数ではなく、広告の見せ方を変えてみることで消費者の心に変化が起きることが証明されました。
これは実験参加者の人たちにシャンプーの広告を見せるという実験だったのですが、その際に内容がまったく同じ広告を繰り返し見せた場合と、デザインや伝え方をいろいろと変えて同じ商品の広告を何度も見せた場合でどのような違いが出るか調べました。
あらかじめ様々なバリエーションの広告を作っておいてそれを実験参加者の人たちに見せたんですね。
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色んな広告を見ると記憶に残りやすい!
すると、両者ではブランドネームの想起率(実験参加者の人たちがブランドの名前を思い出してくれた割合ですね)に大きな違いが見られたのです。
内容がまったく同じ広告を繰り返し見た人たちの想起率がたったの28%だったのに対し、様々な種類の広告を見た人たちの想起率は55%と、同じ広告を繰り返し見た人たちの2倍に当たる高い数字が出ました。
どうしてこのように結果に違いが出たのかというと、広告にバリエーションを持たせることで実験参加者の人たちの脳みそに飽きが来るのを防いだんですね。商品は同じでも、伝え方を変えたことでその広告を新しいものを認識するようになり、新鮮な気持ちで毎回見ることができたんです。
私たち人間のモチベーションにとって重要なのは好奇心ですからね。新しい広告に変えることで好奇心をうまく刺激したんですね。
・人は一番重要なことしか覚えていないから気にするな、に関する話
物語性を持たせるとさらにさらに好感度アップ!
また、広告にストーリーを盛り込むことでさらに消費者の好奇心を刺激できることが証明されています。
シカゴ大学の研究では、ドラマ仕立てのCMは視聴者の関心を引きつけやすく、広告された商品の信頼度もより増したことがわかったのです。
話がうまい人はこういうポイントを押さえているから、話が面白いんですね。たしかに彼らは情景の浮かびやすい話し方だったり、いろんな人の視点で話を展開するので、話の流れがつかみやすいのです。
そして広告や会話にはストーリー性があったほうが私たちは共感しやすく、話も理解しやすいんですね。これはあらゆる種類の文章にも言えることです。
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