【食事と心理】野菜を食べるとクリエイティブ能力と幸福度が上がる理由

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野菜は心も健康にする

 

野菜や果物は、肉体の健康だけでなく、心の健康レベルも高めてくれます。

 

オタゴ大学心理学部のタムリン・S・コナー、ケイト・L・ブルッキー、エイミー・C・リチャードソン、マリア・A・ポラック博士らの2015年の研究では、ケールやカリフラワー、ピーチや洋ナシなど、食事のときにお皿に盛るものによって、気分や幸福感、好奇心、創造性を高める効果があることがわかっています。

 

今回の研究では、野菜と果物の摂取量と幸福感の関係を調べるために、405人の若年層(平均年齢19.9歳)を対象に、毎日の食事で摂取する野菜と果物の量(およびお菓子などの不健康な食べ物の摂取量)を約2週間にわたって記録してもらいました。

 

また、目的意識を持って人生に取り組む気持ちや幸福感をどの程度感じたのかや、それらの感情に関連する行動、またポジティブな感情やネガティブな感情など 全体的な気分のレベルも同じように記録してもらいました。

 

すると、野菜と果物を食べていた人ほど幸福感が高かったのです。

 

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創造性が上がる食事の内容

 

分析したデータは、野菜と果物摂取量が増えると、ウェルビーイング(人生に価値が感じられ、心が満たされた感覚)のレベルが高まり、それに関連した行動も増えていました。

 

また、野菜の摂取量は、より強い好奇心、より強い創造性とも結びついていました。

 

野菜を食べていた人たちは幸福感だけではなく、好奇心や創造力も増えてクリエイティブな人になっていたのです。

 

さらには、満足感、高揚感、熱意といった人生に積極的に取り組むために役立つポジティブな感情も増加していました。

 

つまり、野菜を食べることは単に身体を健康にする効果だけではなく、人生の満足度を上げてクリエイティブな才能を発揮する効果もあるのです。

 

不健康な食事で幸せにはなれなかった

 

一方で、不健康な食べ物は幸福感とは関連していませんでした。

 

この研究で言われる幸福感とはウェルビーイングという意味なので、不健康な食べ物を食べても幸せは感じられないのは当然でしょう。

 

不健康な食品を食べてもウェルビーイングの指標は改善されませんが、好奇心やポジティブな感情のほんの少しの増加は見られました。

 

健康に悪そうな食品でも好きだからそれを食べてるように見えますが、実際にはあまりポジティブな感情が増えることはなく、ジャンクフードを食べても幸せになるわけではないのです。

 

これは衝動的にジャンクフードを食べたくなったときに使えそうな知識なので、ダイエットをしている人はぜひ覚えておきたいですね。

 

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野菜や果物で幸福度がアップする理由

 

野菜や果物などの農産物が私たちの幸福感を高めてくれる理由については、それらの中に含まれる栄養素や抗酸化物質が関係しています。

 

これらの栄養素は私たちの感情や気分をつくりだす脳内化学物質の生成を促進してくれるため、健康な食事をとることで自然とポジティブな感情が増加していって幸福度も上がるのです。

 

ビタミンと抗酸化物質の健康効果

 

多くの野菜や果物にはビタミンB群、ビタミンC、抗酸化物質が豊富に含まれています。

 

これらは、やる気にかかわるドーパミン、幸福感を生み出すセロトニン、愛情を感じられるオキシトシンなどの脳内化学物質を生成します。

 

見ての通り、これらはどれもポジティブな感情に関わる脳内ホルモンであり、私たちの気持ちを高めてくれます。

 

また、抗酸化物質は老化防止にも役立ちますので、長期的に活発な人生を送るためにも重要な栄養素のひとつです。

 

炭水化物の健康効果

 

果物や野菜に含まれる炭水化物は、ドーパミンやセロトニンのもととなる構成要素を増やします。

 

また、精製された砂糖が一時的な気分の高揚を引き起こすのに対し、野菜や果物に含まれる炭水化物は長期的に脳みそに良い影響を与え続けます。

 

甘い食べ物を食べることを幸せになったりポジティブな気持ちになりますが、加工食品ではなく野菜や果物から糖分を摂取することでより長く幸福感を持続させることができるのですね。

 

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野菜を食べるとエネルギーと活力が上昇する

 

野菜や果物に含まれる栄養素は、一般的に私たちのエネルギーを高める効果があり、これにより幸福に関連した行動を取りやすくなります。

 

栄養のあるものを食べることで体が元気になり、元気になることで幸せに向かって努力し始めるということですね。

 

だから野菜を食べると幸福度高まりやすくなるのです。身体に元気がないとやる気も起きないですからね。

 

良い気分は良い食事を促進する

 

研究者はまたもう一つの可能性として、高い幸福感がより健康的な食事につながる可能性を示唆しています。

 

つまり、私たちは気分を良く感じたときにより健康に良い食事をとるようになるのです。

 

実際にこの心理とは逆に、ストレスが溜まるとジャンクフードに手を延ばしがちになるという心理現象も確認されています。

 

これらの研究結果から研究者らは、野菜を食べることで幸せな気分になり、幸せな気分になることでより野菜を食べるという幸福の上昇スパイラルが生み出されると述べています。

 

 

野菜を食べたその日から効果があらわれる

 

今回の研究でも、野菜や果物を多く食べた日には、あまり食べなかった日に比べて、幸福感、好奇心、創造性のレベルがより高くなっていたことがわかりました。

 

少なくとも、野菜や果物を食べて体に悪いということはなく、多くの人にとってはより良い健康状態の維持に繋がるので、野菜や果物の摂取量が増えることに越したことはないでしょう。

 

幸せになりたい人は食生活の大切さを日々意識していきましょう。

 

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参考論文

 

Conner TS, Brookie KL, Richardson AC, Polak MA. On carrots and curiosity: eating fruit and vegetables is associated with greater flourishing in daily life. Br J Health Psychol. 2015 May;20(2):413-27. doi: 10.1111/bjhp.12113. Epub 2014 Jul 30. PMID: 25080035.

https://doi.org/10.1111/bjhp.12113

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