このサインが出たら危険!自分を追い込んで自殺してしまう人の心理を解説

ギャンブル・依存の心理学
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メンタルケアをしないと死亡率が高まる

2003年をピークに日本の自殺率は下がり続けていますが、40歳以下の人では現在でも自殺が事故やがんなどの死亡率よりも2倍以上高いのも事実です。

 

つまり、若い人が長生きするためには肉体の健康管理以上にメンタルの健康管理が必須なのです。

 

さらに最近の研究によれば、心理学や脳科学の知識があるからといって人は自殺しないわけではないということがわかっています。大抵の場合は、悩みを抱えてもなんとかできますが、それでもどんな人も自殺をしてしまう可能性があるのです。

 

実は、一般の人よりも医学に精通している医学生や若い医師の主な死因の1つも自殺だということもわかっています。これには心の病気について学んだ精神科の学生と医師も例外ではありません。

 

これは骨折をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。どんな健康で頑強な人でも一定の負荷が掛かれば骨は折れてしまいます。心の病気もこれと同じです。どんな健康な人でも心の病気に対しては骨折と同じように油断禁物なのです。

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自殺してしまう人の共通点

自殺した人たちの脳を調べた研究によると、自殺者の共通点として精神疾患に罹っているという点が挙げられています。

 

彼らは脳みそが異常な状態にあるために思考や行動も極端になってしまっているのです。有名なものがうつ病ですが、このような症状が出てしまうと視野が狭くなり不安な感情もいつもより大きく感じてしまうようになってしまいます。

 

自殺者の行動や悩みが多くの人に理解されないのはこのためです。自殺者や自殺願望のある人と健康な人とは脳みその仕組みが変わっているので、他の人たちと同じ目線で物事を捉えることができず孤独になってしまうのです。この孤独な状態がさらに自殺リスクを高めています。

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扁桃体が活性化すると感情が暴走しやすくなる

コロンビア大学の J ジョン マン教授の研究によると、自殺者の90 %は、自殺した時点で何らかの精神疾患を発症していたことがわかっています

 

そして例えば鬱病などの精神疾患がある人は、脳で感情をつかさどる扁桃体という部位が過度に活性化されていることが知られています。この扁桃体が活性化すると恐怖などを感じやすくなり、感情が暴走しやすくなってしまいます

 

つまり、扁桃体が活性化しやすい人ほどストレスを感じやすく悩みやすい性格であると言えます。だから心配性だったりちょっとしたことでも不安を感じてビクビクしてしまうのです。

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自殺リスクの高い人はストレスを過剰に感じてしまう

しかし自殺者の心理を調べた研究によると、自殺者に共通する主要な脳の異常(例えば神経細胞が少ないことや皮質が薄いことなど)が見られた部位は扁桃体ではありませんでした。

 

自殺した人たちと健常者との違いが見られた部位は、脳の前部帯状皮質と背外側前頭前皮質という部位だったのです。これらの部位は、自分が感じているストレスの度合いを主観的に判断するプロセスに関係する部位です。

 

つまり、これらの脳の部位に異常がある人は主観的な判断が暴走しがちで、ストレスを過度に感じてしまうがために深く悩みを持ちやすく落ち込みやすくなっていたのです。

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見た目は同じでも鬱の度合いは深刻

前部帯状皮質と背外側前頭前皮質に異常がある人たちは、自分が感じているストレスを主観的に大きいものだと判断してしまうために感情的になりやすく、感情的になりやすいために暴走した行為を取りやすくなり、そのせいでさらにストレスを抱えてしまうという負のスパイラルに陥りやすいのです。

 

ストレスを感じ落ち込んでいる人たちと客観的に見た症状の深刻さは同じでも、前部帯状皮質と背外側前頭前皮質に異常が見られる人たちは主観的に感じる鬱症状がはるかに深刻です。

 

さらに彼らは自分が鬱状態にあることを感じ取るセンサーが過度に鋭敏な状態にあります。だから自殺は知識だけでは防げないのです。

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意思決定が苦手になり、リスクを取りやすくなる心理

さらに自殺者の脳は意思決定に関わる部位にも異常が見られました。

 

自殺をするリスクの高い人たちは、意思決定が必要な課題を与えられたときに、リスクのより高い選択をする傾向があるのです。この心理があるために彼らは自殺行為を行いやすくなっているのです。

 

多くの人は死にたいと思っても実行には移しません。これは家族や友人が受けるショックを考え、リスクと便益をはかりに掛けて、コストが大き過ぎると判断するためです。しかし、自殺者の脳みそではリスク計算にも異常が起きているので、死にたいという願望が生まれるとすぐに衝動に駆られて行動に移してしまうのです。

 

自殺者には人生の選択の幅が小さく見えるために、ネガティブな思い込みに悩みやすく、衝動的に結果にも飛びつきやすくなっているのです。

 

しかも彼らは自分たちが異常な状態にあること、他の人たちと違うということを冷静に認識できないという問題も抱えています。そのために自殺のリスクが高まっていることにもなかなか気付けないのです。

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トーマス ジョイナー博士による『自殺の対人関係理論』では、以下の3つのポイントが揃うと自殺リスクが高まることがわかっています。 1.所属感の減弱:居場所がなく、孤独である。死んでも誰も困らない 2.負担感の知覚:自分は周りに迷惑をかけてばかりだ 3.自殺潜在能力:痛みや恐怖の麻痺、薬物依存

 

医療診断を受けるポイント、危険なサイン

自殺者、自殺願望者の脳みそでは異常が起きているので、なかなか自分ではその異常に気付きにくいのですが、簡単なものですが、いくつか自己診断のためのポイントはあります。

 

なので、違和感を感じた時にはこれらのポイントに自分が当てはまらないかチェックをしてみてください。

 

  1. 悲しい出来事やイメージに反応しやすい
  2. 感情的になりやすい、怒りっぽい
  3. ストレスが多い
  4. ギャンブルなどリスクの高い行動をよく取る
  5. 人生は良いことよりも悪いことの方が多い
  6. 人生は生きるに値しないと感じる

 

当てはまるポイントが多い人はカウンセリングや診断を受けることをおすすめします。また当てはまらなかった人たちはこのような精神状態に自分を追い込まないためにも日頃からメンタルケアを大切にしていってください。

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自殺者の人たちの脳では前部帯状皮質と背外側前頭前皮質に異常がある
自殺者の人たちはストレスを過度に感じやすくなっている
自殺者の人たちは意思決定が苦手でリスクを取りがち
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しかし、自殺者の人たちは自分ではすぐに異常に気付けない
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