【認知行動療法】自分を理解する!気分を変えるために重要なセルフモニタリングについて解説

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セルフモニタリングとは?

 

前回は、自動思考を調整するための認知再構成法の具体的な方法について解説しましたが、今回は「セルフモニタリング」について解説していきます。

 

セルフモニタリング(Self-Monitoring)とは、生活を振り返って自分の活動や感情を記録したり観察することを指します。

 

モニタリングというバラエティー番組がありますが、あんな感じで他者を見るように自分の行動を観察していくイメージです(いたずらはしません笑)。

 

セルフモニタリングの効果

 

セルフモニタリングをすることで、出来事や行動と感情の関係をふりかえるができ、どういうときにどんな感情になりやすいのかが理解できるようになります。

 

行動と感情の関係を理解できるようになることで、自分が好ましいと思う感情が持てる行動を増やしたり、逆に好ましくない感情を減らしていくことで、間接的に自分の感情がコントロールできるようになっていきます。

 

さらには、セルフモニタリングをすることで抑うつ症状の予防にもなります。つまり、健康な人でも日ごろからやっておいた方がいい心理テクニックなのです。

 

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セルフモニタリングのやり方

 

セルフモニタリングをするうえで大切なのは記録をつけることです。

 

認知行動療法では、時間・出来事と行動・感情と気分の3つの要素を記録していきます。

 

時間で記録するものは、起床時間、外出時間、食事の時間、ベッドに入った時間、睡眠時間などです。

 

出来事と行動で記録するものは、自分がいつ何をしたか?自分にいつ何が起きたのか?です。

 

これによって、努力の成果が目に見える形になり、継続する力になります。また、後になって過去と現在を客観的にふりかえることができ自己分析に役立ちます。

 

感情と気分を記録するときには、感情や気分の程度を数値や記号で記録するようにします。

 

「良かった」「全然だめだった」という感想ではなく、日々の変化が後で具体的に分かるように数字などのはっきりとした評価基準で表しておくことがここでのポイントです。

 

データが溜まったら、以前の生活と現在の生活を比べ、気づいた点を書き出していきます。

 

セルフモニタリングで気分の浮き沈みを軽くする

 

睡眠と起床のリズム(体内時計)を一定にし、適度に刺激のある生活を続けることが気分の安定につながります。

 

睡眠と起床のリズムを一定にするために、次のようなことを記録していきましょう。

 

  • 起床した時間
  • 外出した時間
  • 床に入った時間
  • 一日の睡眠時間
  • 一日に会った人の数
  • どれくらい刺激のある日だったか

 

セルフモニタリングで気持ちの落ち込みに取り組む

 

落ち込んでいる時は、全てが悪く思えてしまうものですが、一日の中で、あなたの気分は出来事や行動によって変化します。

 

そこで、善玉行動と悪玉行動を記録して良い気分になれる行動を増やしていきます。

 

善玉行動とは、後味のよい充実感が得られたり、それを行っている時は大変でも、終えたあとで達成感が得られる行動を指します。

 

悪玉行動とは、一時的に楽になっても、あとで後悔したり、かえって状況を悪化させてしまったりする行動を指します。

 

善玉行動と悪玉行動を区別するために、一日の出来事や行動と、その時の喜び・達成感を数値で表して記録していきましょう。

 

日々の生活の中に、どのような善玉行動や悪玉行動があるのかを探してみましょう。

 

セルフモニタリングで睡眠の質を高める

 

睡眠のリズムは一度狂ってしまうと心身ともに疲弊していきます。なので、日ごろから安定させることが嫌な気分にならないためにも大切です。

 

朝起きる時間を決め、必ずその時間に起きるようにすることが睡眠リズムを安定させるコツです。

 

ベッドに入った時間、眠りについた時間、目が覚めた時間、ベッドを出た時間、昼寝をした時間、日中の運動量などを記録しておき、セルフモニタリングを使って改善していきましょう。

 

睡眠のコツ

 

良い睡眠を取るためには次の3つのポイントを押さえておきましょう。

 

  1. 寝床につくタイミング
  2. 日中の運動
  3. 短い昼寝

 

寝床につくタイミング

 

長く寝ようと早くベッドに入っても、寝付けずにかえって逆効果になってしまうことがあります。そういう時は、逆に、眠くなるまではベッドに入らないようにすることが有効です。

 

そうやって、ベッドは眠る場所であると体に覚えさせることで、ベッドに入ると自動的に眠るスイッチが入るようになります。

 

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日中の運動

 

日中に体を動かし、適度に疲れるとよい睡眠が得られます。健康の基本ですね。

 

また、研究によると、夜の運動であってもそこまで睡眠の質を下げることはないとわかっています。なので、日中に運動し忘れた場合には、夕方もしくは眠る2時間前くらいでも運動をしておくと良いです。

 

短い昼寝

 

昼寝は長すぎると夜に眠れなくなります。なので、昼寝の時間は15分以内が理想的です。

 

昼寝の最適な時間は諸説ありますが、睡眠のリズムが安定するまでは少なくとも15分以内にとどめておきましょう。

 

もちろん無理に昼寝をする必要はありませんので、移動中を含めて、今現在長く昼寝をしている人は参考にしてください。

 

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ぐるぐる思考に気づき解消する

 

過去や未来についての考えが頭をめぐるのは、他の人には見えなくても活動の一種としてカウントします。

 

なので、この思考も活動として記録していきます。例えば、ぐるぐる思考には次のようなものがあります。

 

  • なんで自分は失敗ばかりなんだろう(反すう)
  • あの時こうしておけばよかった(後悔)
  • こんな危険があるかもしれない、あんな悪いこと起こるかもしれない(心配)
  • こうだったから大丈夫、ああだったから大丈夫(保証探し)
  • こうだったからダメだ、ああだったからダメだ(悪い保証探し)
  • あいつのせいで大きな損失をした(思い出し怒り)

 

このように5分以上同じことを考えていたら、気分転換が必要な証拠です。

 

体を動かさない時ほど心の活動が活発になりますので、同じこと5分以上考えていたらとりあえず運動を始めてしまいましょう。

 

また、人は一人になると、心の中で自分と会話するようになります。友達や家族と会話することも気分転換になり、ぐるぐる思考を停止させてくれるので、試してみましょう。

 

次回は、「ストレスの種類とストレス反応」について解説していきます。

 

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参考論文、資料

 

第5回 生活をふり返ろう(セルフモニタリング)

http://npsy.umin.jp/~npsy/cgi-bin/wordpress/wp-content/themes/tokyo_univ/pdf/nyumon5.pdf

Avina, C. (2008). The use of self-monitoring as a treatment intervention. In W. T. O’Donohue & N. A. Cummings (Eds.), Evidence-based adjunctive treatments (pp. 207–219). Elsevier Academic Press. 

https://doi.org/10.1016/B978-012088520-6.50011-1

Hirano M, Ogura K, Kitahara M, Sakamoto D, Shimoyama H. Designing behavioral self-regulation application for preventive personal mental healthcare. Health Psychol Open. 2017 May 16;4(1):2055102917707185. doi: 10.1177/2055102917707185. PMID: 28567301; PMCID: PMC5438042.

https://doi.org/10.1177/2055102917707185

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