写真や絵を使うことで説得力がアップする
今回は説得と交渉に関する心理学の話です。交渉ごとが苦手な人は参考にしてみてください。
実は、説得内容の良し悪しや量に関わらず、写真や画像といった資料を用いるだけで相手を説得しやすくなるということが心理学の研究の結果からわかっています。
私たちの心は見た目の情報に弱く、情報と一緒に画像を見せられると相手の言っていることがすべて真実のように聞こえてくるようになってしまうのです。使い方によってはちょっと恐ろしい心理ですよね。
2倍も説得されるようになった心理テクニック
アメリカのイースタン ケンタッキー大学のローズ ベリーン博士は、視覚的な情報があるだけで説得力が増すということを実験で証明しました。
何かを説明されるときには絵や写真などの情報があった方が、私たちは心が動かされやすいのです。
実験では、捨てられた子犬を保護するための募金に関する情報の書かれた看板が使われました。片方の看板では捨てられた子犬に関する文字情報だけを提示し、もう片方ではそれに加えて写真を付けました。
すると、写真を取り付けただけで募金額が約2倍にも膨れ上がりました。写真を見ただけで感情的な部分が呼び覚まされて、相手に説得されやすくなったのです。
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説得力が2倍になった心理的な理由
こうなった心理的な理由は状況の想像しやすさにあります。
説明をされるときには写真や動画といった、見ただけで一発でわかるような視覚的な情報があった方が状況のイメージがしやすいですよね。
これが文字の説得だけだと、それを読んだ人の想像力にすべてが託されてしまいます。こうなってしまうと、相手が共感能力の低い人やあまり想像力が豊かではない人の場合には、説得者の伝えたかった状況や気持ちが把握できず、内容がうまく伝わらないのです。
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映像や写真で心が動きやすくなる
ところが、写真や動画などの状況を伝えてくれるわかりやすいものがあれば「こんなに苦労しているんだ」「かわいそうだなぁ」と簡単に状況が把握できます。
「アフリカの子どもたちが苦しんでします!」と言葉で熱く語られるよりも、実際にアフリカの子どもたちが苦労している映像を見せられた方が胸が痛みますよね。これと同じです。
私たちは映像や写真といったものを見ることで、より共感能力が研ぎ澄まされるのです。そして相手に共感するようになるので、説得されやすい心理になるのです。
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画像をつけるだけでも相手は話を信じてしまう
別の研究では、講義の際に画像がついているだけで、話している内容の精査をきちんとせずに相手の言っていることを信じてしまうという結果も出ています。
画像という視覚的な情報があるだけで、私たちは頭で考えることなく思考停止的に相手の話している内容を受け入れてしまうようになるのです。
こちらの場合は共感というよりも視覚的な情報が持つ説得力に押されているという感じです。写真や映像で見せられると真実味が感じられるので、私たちは情報を疑うことを忘れてしまうのです。
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誰かを説得するとき、誰かに説得されるときの注意点
このような心理がありますので、人を説得する際は、内容に関連した写真や画像といった情報をわかりやすく伝えてくれるものをできるだけ用意してから相手の説得に当たると良いです。
絵や写真を使うことで説得力が増すので相手も真面目にあなたの話を聞いてくれるようになります。注目を集めたい時にも有効なのです。
逆に、誰かに説得されているときには視覚の情報に自分が騙されないように今回の研究のことを思い出しましょう。
そして、相手の伝えようとしている内容をよく見て考えて、しっかりと自分の価値基準に合っているかどうかで判断するように気をつけましょう。
画像に騙されやすい心理があるということだけを覚えておくだけでも予防線を張ることができますからね。
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