人に好かれる真似の仕方
私たちには自分と同じ行動したり同じ癖を持っている人を好きになるという心理的な傾向があります。
似た者夫婦、似たものカップルという言葉がありますが、似たもの同士はそれだけ仲の良い関係になりやすいのです。
これは見た目、表情やしぐさといったボディーランゲージに関することだけではなく、ただ単に自分の話し方と相手の話し方が似ているというだけで相手に好感を持つことがわかっています。
会話中に相手の喋り方を真似ると親密になれる
アメリカ、ニューヨーク大学のターニャ チャートランド博士は、会話中に相手の声の調子や喋り方などを真似ることで、相手からの好感度が高まり会話もスムーズに運びやすくなるということを発見しました。
私たちは話し方が自分と同じというだけで相手のことを好きになるのです。博士はこの模倣の効果をカメレオン効果と名付けています。
よくふざけあって口癖や話し方を真似ているカップルや友人同士がいますが、これにはお互いの関係を親密にさせるという重要な意味があったのです。イチャイチャすることでより仲良くなるのですね。
ミラーリングテクニックで人に信用されやすくなる
心理学では、このように相手と同じような姿勢やしぐさをして真似ることをミラーリングと呼びます。
このミラーリングというテクニックは相手の好意や信用を得るための基本的なテクニックとして、心理テクニックを紹介している書籍などでよくオススメされている有名な心理テクニックです。
ミラーリングの心理的な影響力は大きく、その効果が認められた研究も数々あります。
相手の真似をすると交渉がうまくいくようになる
例えば、アメリカで行われた心理実験では、ミラーリング効果を活用しただけでビジネス交渉において相手の同意を得られる確率が50%もアップしました。
さらには商品を販売説明する実験では、ミラーリングテクニックを使っただけでお客さんが商品に興味を示すチャンスが2倍に増えたという結果まで出ています。
私たちは自分と相手に似ているところがあるという情報を無意識に感じ取るだけでもポジティブな感情を抱き、ここまで結果が変わってきてしまうのです。
私たちは自分たちが気づかないところでもミラーリングの心理効果を受けて商品の購入を決めたり目の前の人の印象形成をしているのです。
高度なミラーリングテクニック
またミラーリングには、ただ相手の真似をするだけではなく真逆の行動をするという高度なテクニックもあります。
これは相補的ミラーリングと呼ばれており、相手と逆のしぐさをとることで、お互いがお互いのことを、自分たちの弱点を補完しあう関係だとみなし、好感度が上げる効果があります。
たまに性格のタイプがまったく違う者同士が仲良くなったり、真逆の性格の男女同士が結婚するといったことがありますが、それはこの相補効果が働いているためです。
お互いに弱点を補い合っている関係にある二人は、得意なことで相手に協力し、苦手な事は相手に助けを求めることで相手のことを頼りにし、お互いに人間関係を深めているのです。
ミラーリングは相手バレると嫌われるリスクがある
というわけで、仲良くなりたい相手がいるのならばミラーリングテクニックを駆使して心理的な距離を縮めていきましょう。
ただし、相手のものまねを露骨にすると相手に気味悪がられたり嫌われてしまう可能性もありますので、ミラーリングのやり過ぎには注意をしてください。ミラーリングは相手にバレてしまっては、プラスの効果がなくなるどころかマイナスに働いてしまうのです。
そして、ときには相補的ミラーリングを使ってコミニュケーションのバランスをとっていきましょう。相手と違うところがあっても何も無理に隠す必要はないのです。