お金を使いすぎてしまう心理
友達や恋人と過ごすためのお金、いわゆる交遊費は外で会う機会が多ければ多いほど高くなってしまいます。
家の中と違って外ではお茶をするのにも映画を見るのにもお金がかかるので当たり前といえば当たり前なのですが、実は私たちがお金を使いすぎてしまうそれだけではないのです。
アメリカ、テンプル大学のリンド博士とベンジャミン博士の共同研究で、私たちは友人と一緒にいると気が大きくなり、つい買い物などでお金を使いすぎてしまう傾向があることがわかっています。
外食費や交遊費が思ったよりかかってしまうのは、経済ではなく心理的な問題だったのです。
カップルで過ごすとお金を使いやすくなる
リンド博士とベンジャミン博士の行った実験では、道を行く人を対象に旅行チケットの販売して彼らの様子をチェックしました。目の前を通り過ぎて行く人に声をかけて「チケット買いませんか?」と営業をかけてみたんですね。
すると、一人で歩いていた歩行者と比べるとカップルで歩いていた人たちの購入率が約2倍になったそうです。
確かに彼女と一緒だと男性は器の大きさを見せるために普段よりもお金を多く使ってしまうものなんですよね。
好きな人の前でカッコをつけたがる男性の心理がここに表れていますね。まぁ、なんかこれはしょうがない現象ですよねw
それに今回の実験内容である旅行なら二人で一緒に行けますし、たぶんテンションにまかせて商品を購入した人たちも買い物自体には満足していたのだと思います。
友達と一緒だと食べすぎてしまう
さらに、この知り合いと一緒だと気が大きくなってしまう心理は友人関係でも有効だということが別の実験でわかっています。
これはカリフォルニア大学心理学科のソマー教授の研究で、877名の消費者を対象に購買行動に関する調査を行ったところ、グループ客は一人きりで来ている個人客よりも一人当たり多くのお金を消費する傾向があることを突き止めました。
観光や旅行やグループで遊ぶときには楽しい雰囲気に乗せられてつい余計なものとかを買ってしまうんですよね。これは心当たりがある人もけっこういるんじゃないでしょうか。
また、飲食店ではグループで入った方が多くの商品を注文してしまうこともわかっています。
外食をよくする人たちが太りがちなのはこのためです。私たちは親しい人の行動が自然と自分にも感染る特性を持っていますから友人が食べているところを見てさらに自分も食べるというスパイラルが働くんですね。
このへんのところは以前話したパートナー効果の記事でも書いていますが、肥満の友人がいると2倍以上私たちも太りやすくなります。
別の場所で似たような実験結果が出ると科学的な信憑性がさらに増していきますね。
決断が遅いほどお金を使いすぎてしまう傾向がある
また、ソマー教授の研究からは以下のこともわかっています。
- お年寄りの方が若者よりもたくさん買い物をする(また、テキサス大学の心理学者カー トニー ホール氏も「若者は、お年寄りに比べて判断や決定が早い」と言っています
- お年寄りの方が時間をかけて買い物をする(これは以前話した店舗の滞在時間が増えれば売り上げも上がる?の話でも出て来ました)
- 女性の方が男性よりもたくさん買い物をする(これはよく聞く話ですよね)
- 午後の買い物客の方が午前の買い物客よりも時間をかけて買い物をする
- 人は平日よりも休日や週末の買い物の方がより時間をかけて買い物をする
という感じです。特に午後になると意志力が低下してお金を使いすぎてしまうという傾向を覚えておくことはAmazonなどで無駄な買い物をしないための秘訣です。
お年寄りの方にもよく見られる、決断が遅くなればなるほどお金を使いすぎてしまうというのも面白い結果です。
親しい人と買い物やレジャーを楽しむ時にはつい無駄遣いをしてしまいますが、今回の記事の話を買い物の前にちょこっと思い出してもらえれば後悔してしまうようなお金の使い方は改善できますので、ぜひ試してみてください。
買い物をするときには調子に乗っていないか自分に問いかけよう
外で誰かと食事をするときは注文しすぎないように少なめに頼もう
無駄遣いをしないために午後のウィンドウショッピングは避けよう