モテない人は自己評価が高い
他人からチヤホヤされたり異性にモテる人ほど自分は魅力的だと思うものだと私たちは考えがちです。
しかし、実際にはモテない人ほど自分には魅力がある!と考える心理的傾向があります。
つまり、ブサイクな人ほど「あいつら何にもわかってねーな。自分はこんなに魅力的なのに!」と思っているものなのです。なんだか悲しい話ですね笑。
魅力に関する自己評価について
魅力に関する過去の研究では、私たちが自分の身体的魅力をどのように評価するかは、実際に他人から見たときの魅力的な評価とそこまで関係がないことが示されています。
また、少なくとも一部の人たちは自分の本当の魅力のレベルについてほとんど理解していないということがわかっています。
たいていの場合、私たちは自分の魅力について正確に把握しておらず、勝手に自分の中で「カッコいい」「かわいい」「ブサイク」などと思い込んで生きているのです。
非モテは自分を魅力的だと思っている
さらに、インスブルック大学(オーストリア)のトビアス・グレイテマイヤー博士が2020年におこなった研究では、「モテない人ほど自分のモテなさを自覚していない」という事実が判明しています。せつない笑。
この研究では1,180名を対象に、自分の身体的魅力についての評価をしてもらいました。同時に第三者に実験参加者の魅力についての客観的な評価もしてもらいました。
すると、魅力のレベルが低いブサイクな人ほど、第三者による客観的な評価に比べて、自分の魅力をかなり過大に評価する傾向が見つかったのです。
美男美女ほど自己理解が正確
一方で、身体的魅力が高い参加者のあいだでは、自己評価はより正確なものでした。
どちらかというと、魅力の高い人たちは自分の魅力を過小評価している傾向さえありました。
魅力的でない人々は自分の魅力について幻想的な自己認識を維持しているのに対し、魅力的な人々の自己観・自己評価はより現実に基づいているようです。
彼らは、自分が実際にどれほど魅力的であるかについてより多くの洞察を持っていました。
モテる人ほど自分のことをよく観察していて、自己理解が深まっているのです。
非モテな人ほど自己評価が高い理由
さらに、なぜ魅力的ではない人たちは自分の魅力を過大評価するのかについて調べたところ、非魅力的な人々は、魅力的な参加者よりも、魅力的な人とそうでない人の区別がつきにくい傾向があることがわかりました。
つまり、非モテの人は「モテる」ということがどういうことなのかをよくわかっていなかったのです。
あるいは、魅力的でない人々は、魅力的な人々とは異なる美の概念を持っているのかもしれません。
ヴロツワフ大学(ポーランド)のボグスワフ・パウロフスキーの研究によると、男性は40後半からモテにくくなるが、本人たちがそれに気づくのは50を過ぎてからだということがわかっている。男性が現実に気づくためには数年必要みたいですね。ちなみに、女性ではこの傾向はありません。
— 心理学解説bot ちょっぺ~先生 (@kruchoro) April 12, 2022
魅力の低い人は魅力の低い人に惹かれる
別の研究では、魅力の低い人ほど同じように魅力の低い人を好意的に評価する傾向がありました。
この場合では、類似性の法則が働いているからという可能性もありますが、いずれにせよ、顔の良くない人はイケメンや美女よりも魅力の低い人たちを好きになる心理があるのです。
とはいえ、高嶺の花を魅力的に思うよりは、自分に手の届く範囲内の異性を好きになるほうが幸せとも言えます。世の中、上手いことで来ているのかもしれませんね笑。
参考論文
Greitemeyer, T. (2020). Unattractive people are unaware of their (un)attractiveness.Scandinavian Journal of Psychology, 61, 471– 483.