金髪女性はモテやすい
2012年におこなわれた南ブルターニュ大学社会学部のニコラス・ゲガン博士の研究では、従業員の髪色が賃金に及ぼす影響について実験で調べられました。
この実験では、いくつかのレストランでウェイトレスが金髪、赤、茶色、または暗い色のウィッグを着用するよう指示され、髪の色が客の性別によってチップに与える影響を測定しました。
するとその結果、金髪のかつらを着用したウェイトレスはより多くのチップを受け取るようになったのですが、それは男性の客に対してのみの現象であることがわかったのです。
ウェイトレスの髪の色は、女性客が与えるチップの金額や頻度に影響を与えませんでした。
金髪女性は優しくされやすい
同じくゲガン博士がおこなった別の研究では、女性の髪色が他者の援助行動に及ぼす影響を調べるため、金髪、茶髪、黒髪のウィッグを着用した女性被験者を対象に、人通りのある歩行者空間を歩いてもらいました。
そのとき彼女たちには誤って手袋を落としてもらい、本人はそのことに気づかずに歩き出したと思われるような場面を意図的につくって、どれだけの通行人が落とした手袋を彼女たちに渡してくれるのかを実験で調べました。
するとその結果、女性歩行者よりも男性歩行者の方が、金髪のかつらを被った女性被験者を助けることが多いことがわかったのです。
美容を求めない人は、美容を求める人たちからいじめられやすくなる心理がある(特に女性)。考えてみれば、若者が出てくるドラマや映画でもそういうシーンはよくありますね。これは「美容いじめ」と言います。中高生の間で起きそうな問題。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2021年11月9日
金髪は若さと健康の象徴
このように男女で異なる結果が出たのは、金髪の女性には若さと健康がより多く関係しているからです。
つまり、女性は金髪にすると健康的で若々しく見えるようになるという心理があるのです。
これにより、男性から見ると女性がより魅力的に映るようになるのです。男性には、見た目が魅力的な女性を自然と助けてしまう心理があるのですね。
参考論文
Guéguen, Nicolas. (2012). Hair color and wages: Waitresses with blond hair have more fun. The Journal of Socio-Economics. 41. 370–372. 10.1016/j.socec.2012.04.012.
https://doi.org/10.1016/j.socec.2012.04.012
Guéguen, Nicolas. (2012). The Sweet Color of an Implicit Request: Women’s Hair Color and Spontaneous Helping Behavior. Social Behavior and Personality: an international journal. 40. 10.2224/sbp.2012.40.7.1099.