甘い人は良い人かもしれない?
英語では、”Honey”、”Sweetheart”、”Sugar “、“She’s a sweetie”といったように、好意を持つ相手を表現するための言葉や、恋人を呼ぶときの愛称の多くには甘味に関連した言葉が使われています。
このような比喩表現が存在する理由は、「甘い味」と「人として喜ばしい性格特性や行動」との間に、実際に関連性があるからです。
つまり、「甘いもの=良いもの」という感覚が私たちの心理にはあるのです。
甘い食べ物が好きな人は良い人そうに見える
2011年にゲティスバーグ大学心理学部のブライアン・P・マイヤー 、サラ・K・モーラー 、マイケル・D・ロビンソン、マイルズ・リーマー・ペルツ博士らの研究チームは、数十人の学生を対象に、100人の顔写真と「グレープフルーツが好きです」などの特定の食べ物に対する好みを示した文章を見せて、彼らの性格特性(協調性、外向性、神経症的傾向)を評価してもらいました。
すると、キャンディーなどの甘いものが好きだと紹介された写真の人物は、学生たちからより好意的な人物であると判断されたのです。
私たちには、「甘いものが好きな人はより好ましい(優しい)性格であるに違いない」と、暗黙のうちに認識する心理があるのです。面白いですね
ところで、この無意識に感じられる心理は実際の性格に当てはまるのでしょうか?
甘いものが好きな人は本当に優しい
「甘いものが好きな人は良い人である」というイメージが正しいのかどうかを調べるために研究をさらに進めたところ、この直感は本当に正しいということが判明しました。
この2つ目の研究では、自分の性格について「協調性が高い」と自己評価をした学生は、「協調性が高くない」と自己評価をした学生よりも、甘い食べ物や飲み物をより強く好む傾向があったのです。
また、別の学生を対象にした3つ目の実験では、甘いものを好む学生ほど、無給で無関係の研究にもボランティアとして参加する意欲が高いという結果も出ています。
夫が献身的で優しい性格だと、奥さんが健康的になるらしい。世の奥様方は体の調子が悪くなってきたら、夫の優しさを疑った方がいいようです笑
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2020年8月9日
甘いもの好きは人助けをする傾向がある
研究者らは、これを向社会的行動や性格の表れだと考えています。
つまり、甘いものが好きな人ほど協調性が高く、実際に他人や社会の役に立つ行動をとる傾向も強いのです。甘いものが好きな人は本当に優しい性格なのですね。
協調性の高さは恋愛関係を長続きさせるための重要な指標でもあるので、気になる人と付き合う前に、相手が甘いもの好きかどうかを聞いてみるのもいいかもしれませんね。
参考論文
Meier, B., Moeller, S., Riemer-Peltz, M., and Robinson, M. (2011). Sweet taste preferences and experiences predict prosocial inferences, personalities, and behaviors. Journal of Personality and Social Psychology DOI: 10.1037/a0025253