くるちょろ心理学研究所

心理学・医学・経済学の研究論文の解説と考察をしています

【ブランド心理】高級品や贅沢品を身に着けているとそれだけで地位が上がって好かれる

f:id:kruchoro:20220306172123j:plain

 

 

高級ブランドで他人の態度が変わる

 

高級ブランドを身に着けることに意味はあるのか?ということについて心理学の観点から解説していきます。

 

高級ブランドのシャツを着ている人は、ブランド名のないシャツまたは高級感のないシャツを着ている人より、裕福でより高い地位にあると人々に認識される傾向があります。

 

2011年におこなわれたティルブルフ大学(オランダ)社会心理学部のロブ・ネリセン、マライン・マイヤース博士らの研究によると、高級ブランド品を身に着けている人では、通行人からより多くのアンケートを獲得し、就職できる可能性が高く、慈善団体への募金をより多く手に入れられる!という傾向があることにわかりしました。

 

kruchoro.com

 

高級ブランドのマークだけでも効果がある

 

ちなみに、実験で使われた高級ブランドは「トミーヒルフィガー」と「ラコステ」でした。どちらも日本でも有名なブランドですね。

 

ラコステは、「高級ブランドのファッションは本当に効果があるのか?」という内容の心理実験で使われることが多いですね。

 

過去の実験では、私たちはラコステのワニのマークを見ただけで相手の評価を上げてしまう!という心理を持っていることが確認されています。

 

本物のワニが現われたら危険を察知してみんな離れていきますが、ラコステのワニの場合には高い地位を察知して自分から近づいていってしまうのですね。

 

高級品と高コストシグナリング理論

 

私たちにとって贅沢品の消費は、高コストシグナリング理論に基づくと、個人のステータスを高め、人付き合いなどの社会的相互作用の場面において利益を生むものであると考えられます。

 

高コストシグナリング理論とは、簡単に言うと、高いコストを払っている人はそれだけ(様々な面で)余裕があるとみなされる心理のことです。

 

この心理により、ブランド品を身に着けると、「この人はお金に余裕がある!」というふうに人から見えるようになるのですね。

 

kruchoro.com

 

高級ブランドでよりお金持ちになる

 

今回の実験では、「高級ブランドのラベルのついた衣服を着る」などの贅沢品の表示行動は、様々な種類の他者からの優遇措置を引き起こしていました。

 

そしてその結果、誇示的消費(または衒示的消費 conspicuous consumption)をしている人は金銭的な利益を得ることもできることもわかりました。

 

つまり、高級品を持っていることを見せびらかすような行動は、単に高い地位にいることを示してチヤホヤされるようになるだけではなく、お金を得たりプレゼントをもらったりなど金銭的利益を得ることにも役立つのです。

 

極端なことを言うと、高級品を身に着けるとお金持ちになれる!ということです。因果関係が逆のように思えるところが面白いですね。

 

高級ブランドで人から優遇される

 

この研究結果は、贅沢品の消費は有益な社会的戦略となりうることを示唆しています。

 

研究者は、贅沢品を誇示的に表示することは、人間の社会的相互作用において、身分に依存される好意や優遇を引き出す高コストシグナルの特性として適用されると述べられています。

 

つまり、高級品や贅沢品を身につけたり見せびらかすことで、自分は高い身分の人間であるということを周りの人に示すことができ、そのおかげで高い身分に人に特有の社会的なメリット(優しくしてもらったりチヤホヤされたり)を受けられるということです。

 

 

ブランド品の所有者にしか効果はない

 

しかし、ここで決定的に重要なのは、これらすべての心理的な影響は、シャツの着用者がその衣服を所有しているという仮定に依存していたことでした。

 

つまり、レンタルだとか友人に借りているといった文脈では、高級ブランドは心理的に機能しないのです。大事なポイントなので、この心理テクニックを使う場合には覚えておきましょう。

 

kruchoro.com

 

参考論文

 

Nelissen, RMA & Meijers, MHC 2011, 'Social benefits of luxury brands as costly signals of wealth and status', Evolution and Human Behavior, vol. 32, no. 5, pp. 343-355. 

https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2010.12.002