幸せになりたいのならセックスをしよう
今回は、幸せになれるセックスの頻度とセックス相手の数についての話を紹介します。
幸福経済学の専門家である、ダートマス大学(アメリカ)のデビッド・G・ブランチフラワー、ウォーリック大学(イギリス)のアンドリュー・J・オズワルド博士らによって行われた研究によると、性行為を月1回から週1回に増やすことで、年収が5万ドル増えたのと同じくらい幸福度が上昇することがわかっています。
年収5万ドルというと日本円で「年収600万円」くらいになりますね…え、すごい!幸せになりすぎ!笑
幸福経済学とは?軽く解説
ちなみに、幸福経済学(Happiness economics)とは、賃金などの定量化可能な問題に限定されていたこれまでの伝統的な経済学ではなく、人間の感情(幸福度やポジティブな気持ちのレベルなど)という不定形の領域を扱う研究分野です。こちらの分野についてもいずれ解説していきます。
この研究は、1990年代初頭から集められた16,000人の成人アメリカ人を対象に、所得、性行動、幸福感の関連性について調べられたものです。
調査結果を分析してみると、性習慣や性的な行動が幸福レベルを決定する方程式にもっとも強いプラスの影響を与えることを発見しました。
お金持ちだからと言ってモテることはない
次に、収入が多いからといって、より多くのセックスや、より多くのセックスパートナーを獲得できるわけではないこともわかりました。
意外に感じるかもしれませんが、収入の多さはモテることにはつながらないのです。
回数に関して、典型的なアメリカ人は月に2〜3回の性交渉を行いますが、既婚者は、独身者、離婚者、未亡人、別居者よりも性交渉の回数が多いという結果も出ていました。
セックスのパートナーは一人で十分幸せになれる
さらに今回の研究では、性行為は、高学歴の人の方が低学歴の人よりも幸福度に大きな影響を与えていました。学歴が高い(頭が良い)とセックスで幸せになりやすくなるようです。
また、セックスによる幸福度を最大にするためにより多くの人とセックスをする必要はなく、性交渉をするパートナーの数は1人で十分でした。
つまり、仲の良い恋人や配偶者が一人いれば、それだけで性生活の満足度は十分なレベルに高めることができるのです。いろんな人にモテる必要はないのですね。
高学歴の女性はセックスの頻度が少ない
高学歴の女性は、性的パートナーの数が少ない傾向にありましたが、これはほかの研究結果とも合致する結果です。
また、同性愛者のカップルに対しても調査されました。
すると、同性愛は幸福度に統計的に有意な影響を及ぼしませんでした。同性愛者だからと言って幸せなカップルになれないというわけではないのです。
長続きする結婚の価値は10 万ドル
最後に、長続きする結婚は、年間約 10万ドル相当の幸福をもたらすこともわかりました。
つまり、独身者が同じ教育、職歴、その他の特徴を持つ既婚者と同じくらい幸せになるには、平均して既婚者たちよりも年間 10万ドル多く稼ぐ必要があるのです。いや、無理です笑。
10万ドルというと日本円で「1200万円相当」ですね。ということは、結婚生活を良好な状態で長続きさせるだけで誰でも年収が1000万以上の幸福を得られるのです。すごい!!
独身者のみんな、さあ今すぐ婚活だ!と言いたいところですが、実は結婚にもリスクがありまして、夫婦が離婚すると年間約66,000ドルもの損失になります泣。
おそらく自分勝手な理由で急いで結婚しても幸福度はここまで上がらないので、その点については難しいところです。
参考論文
Blanchflower, David G., and Andrew J. Oswald. “Money, Sex and Happiness: An Empirical Study.” The Scandinavian Journal of Economics 106, no. 3 (2004): 393-415. Accessed August 14, 2021.
https://doi.org/10.1111/j.0347-0520.2004.00369.x
※上記はなぜかリンク切れのため、別の論文サイトのリンクを貼っておきます。