うつ病が発症する理由が判明!?うつ病はウイルスが起こしていた?

ストレスの心理学
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うつ病はウイルスが運び込んでくる病気

過労や強いストレスといったものが気分を落ち込ませたりうつ病を引き起こすことは以前からよく知られていたのですが、意外にも過労がうつ病につながることは立証されていませんでした。

 

しかし最近になって日本の研究チームがこれを立証したのです。今回は、なぜ過労やストレスといった要因がうつ病の引き金になるのかを説明した研究を紹介します。

 

2020年に行われた東京慈恵会医大の近藤一博教授の研究によると、肉体が疲労することでヒトヘルペスウイルス(HHV)6と呼ばれるウイルスが活性化してうつ病を引き起こすことがわかりました。驚きの結果なのですが、実はうつ病はウイルス由来の病気だったのです。

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うつ病ウイルスは誰もがすでに感染している

さらに驚きの結果なのですが、このウイルスは、赤ちゃんの病気である突発性発疹の原因ウイルスで、ほぼ全ての人が乳幼児期に感染していまして、感染した以降は私たちの体内にずっと潜伏しています。

 

そうして普段は静かに眠っているのですが、体が疲れてくるとウイルスが目覚めて「弱った宿主から逃げ出そう」と、唾液中に出てくるようになります。

 

そしてウイルスの一部が口から鼻へ逆流する形で、においを感じる脳の中枢「嗅球(きゅうきゅう)」に到達し、再感染します。有名なヘルペスと同じですね。

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ウイルスが作るたんぱく質が脳細胞を殺す

ただしヒトヘルペスウイルス(HHV)6の場合、再感染すると、嗅球で「SITH1」というたんぱく質が作られ、脳細胞にカルシウムが過剰に流れ込んでいくことがわかっています。そのせいで脳細胞が死んでしまうのです。

 

さらに、嗅球の細胞死によって、記憶をつかさどる海馬での神経再生が抑制されることもわかっています。その結果、うつ病になってしまうのです

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HHV6に感染するとあきらめやすくなる

マウスを使った実験では、ストレスを感じる状況から逃げる行動をあきらめるまでの時間を計ったところ、嗅球でSITH1が作られるようにしたマウスは、通常のマウスよりも早くあきらめまるようになりました。しかし、このマウスに抗うつ剤を与えると、通常マウス並みに戻ったのです。

 

また、計166人を対象に血液検査を行い、SITH1があることの証明になる「抗体」を調べてみると、うつ病患者の8割でこの抗体が確認され、その量も健常者に比べて、極めて多かったことがわかりました。

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再感染した人は12倍のうつ病リスク

ヒトヘルペスウイルス(HHV)6の再感染はうつ病の発症リスクを大幅に高めます。このウイルスに再感染したことを証明する特定のたんぱく質の存在が確認された人は、そうでない人に比べて、なんと12.2倍もうつ病になりやすくなっていました。10倍以上のリスクアップというのはかなりの数値ですね。

 

さらに、ウイルス学を専門とする近藤教授によると、疲労が蓄積することで唾液中に「ヒトヘルペスウイルス(HHV)6」が急増することがわかっています。

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うつ病が発症する流れ

つまり、うつ病が発症する経緯をまとめると以下のようになります。

 

  1. 過労や強いストレスなどでHHV6が唾液中に出てくる
  2. HHV6が嗅球に流れ込んで再感染しSITH1を作る
  3. SITH1によって過剰にカルシウムが作られる
  4. 嗅球や海馬などで脳細胞のが死んで状態が激変する
  5. 意欲減退などが起きて、うつ病になる

 

ということです。まだ確定ではないのですが、かなり説得力のある話かと思います。というわけで、どんな人もうつ病にかかる可能性があります。ストレス対策と休息はしっかりと取りましょう。

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