相手にバレないで行う無意識の説得術!プリスエージョンの使い方

お金の心理学
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説得に大切なのは事前の準備

今回は交渉事に使える心理テクニックのひとつ、プリスエージョン(事前説得術)の具体例と使い方の続きです。

 

プリスエージョン(PRE-SUASION)は、社会心理学者のロバート・チャルディーニ博士の提唱する説得術で、本番の説得や交渉の前に行う事前準備のことです。詳しくは前回の説明を読んでください。

 

トップセールスマンはいかにして商品を売るのか?

プリスエージョンの具体例として、チャルディーニ博士が例に挙げるのは、知人の一人で、非常に高価な家庭用熱感知型火災報知器を売るセールスマンが使っている心理テクニックです。

 

その知人は見込み客の自宅へ訪問する際に、プリスエージョンのテクニックを使うことで、売上トップクラスのセールスマンになりました。

 

その方法とは少し変わったものです。

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高級商品を売るセールスマンの心理テクニック

まず彼は商品の火災報知器を持って顧客の自宅に訪問すると、相手が火災報知器のテストを始めるまで待ちます。そしていざテストが始まったら、「しまった!大事な資料を車の中に置いてきてしまいました。でも、テストの邪魔をしたくないので、自分で行ってきていいでしょうか?」と家主に訊ねるのです。

 

すると、ほとんどの相手は「どうぞ」といって、オートロックのドアの鍵を渡してくれます(高級住宅なのでオートロック機能がついており、一人きりで再度家に入るためには鍵が必要となる)。

 

彼が行っている説得術はこれだけです。

 

どうしてオートロックのドアの鍵を受け取ることが売上アップにつながるのでしょうか?その理由は信頼の心理にあります。

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家の鍵を受け取ることで信頼を獲得できる

説得相手である見込み顧客は、大切な家の鍵を渡すことで、セールスマンのことを無意識に信頼するようになります。そのため、資料を抱えて戻ってきたセールスマンが「いいですよ」と勧める商品を購入してしまうのです。

 

これは、「自宅の玄関を自由に出入りできる人=信頼している相手」というイメージが私たちの中に潜在的にあるからです。私たちは普段こうしたイメージを使って相手の評価を無意識に決めています。だからイメージを結びつけることで説得効果が生まれるのです。

 

さらには、これはほんの些細な演技であり、交渉相手は誰もこれが商品を売り込むための説得術であることには気づきません。うっかり資料を忘れたことと商品を売り込むことがイメージで結びつかないからです。そしてセールスマンを信頼し、そのまま商品を購入してしまいます。

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信頼してもらうことが説得において一番大切

というわけで、これを実際に説得の場面で使う場合には、交渉事の前に雑談している時など相手が大切にしているものを借りてみると良いです。

 

家族や親しい人にしか触らせないようなものや見せないものを、相手から許可を得て触ったり見せてもらうことで、信頼を得ることができるようになります。

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