学歴フォルターを使って差別してしまう心理
どうやらどれだけ公正な評価を行うことを求めていても、私たちは偏見やバイアスといった思い込みをなくすことができないようです。
特に学歴フィルターと呼ばれる学歴から相手の能力や好き嫌いを判断してしまう思い込みは強力で、人事課に長年勤めてきた人たちすら陥ってしまう罠の一つです。
就職面接、就職活動のときに採用者は、就職希望者の実際の能力や受け答えの反応を見る前から無意識のうちに合否の判断をしてしまっているのです。
高学歴と知られただけで採用される
テキサスクリスチャン大学の研究によると、どんなに場数をこなしたプロの面接官でも、履歴書に書かれた学歴に相手の印象が左右されてしまい、思い込みの中で採用をするかどうかを決めてしまうということがわかっています。
偏見を持ってはいけないとわかっている立場であり、人材評価の場数も十分にこなしているベテランの人でも学歴というフィルターから受ける心理的な影響力を排除することはできないのです。
高学歴の人は成功しやすい
このバイアスがあるために高学歴の人の方が、そうでない人よりも自然と高い評価が得られやすいのです。
履歴書に書かれた高学歴という情報が、面接官に対してハロー効果を引き起こして評価や合否の結果を歪めてしまっているのです。
つまり、もしも本当に学歴差別をなくして相手の能力や受け答えの印象という実力に近い判断基準だけで人材採用を決めたいと思うのなら、就職希望者の学歴に関する情報は秘密にしておく必要があるのです。
誰もがハロー効果の影響を受けている
そしてこの偏見にも近いと言える歪んだ評価の癖は、誰もがやってしまうものであることを自覚しておきましょう。
もちろんバイアスや心理学に関する知識を身に着けていくことで無意識の心理を軽減させることはできますが、ハロー効果の影響は誰もが受けてしまっているし、受けてしまうものだということを理解しておきましょう。