仲が良い人とは脳波も一致している
ミラーリングについて、日本の理化学研究所が行った面白い研究結果があります。驚くことに、会話をしている二人の発話リズムが揃うと、同時に二人の脳波のリズムまでもが揃うことが発見されたのです。
つまり、二人の間で会話が弾みコミュニケーションがうまくいくようになると、二人の脳みその波長も一致するようになるのです。まさにヱヴァンゲリヲンのシンクロ率みたいな話ですね。
理研脳科学総合研究センター、脳リズム情報処理連携ユニットの川崎真弘研究員や神経情報基盤センターの山口陽子センター長らによる研究チームは、コミュニケーションと脳に関する脳科学の実験を行いました。
会話を繰り返すことで二人の息が合うようになる
その実験内容とは、発話内容に意味を持たない言葉(アルファベットの羅列)を二人の実験参加者が交互に声に出して発話をするというものです。
意味のない言葉を発して、二人が架空の会話をしているように見せかけたのですね。この実験は「交互発話課題」と呼ばれています。
このテストを2人1組になった参加者たち、合計20組のペアに行ってもらい、両者の脳波を調べました。
すると、本来は異なるはずの2人の発音のリズムが、交互に声に出して発話することで同調することを発見したのです。たとえ意味のない言葉であっても、時間をかけて何度も話をしているうちに2人の息がだんだんと合ってくるようになったのです。不思議ですね。
会話のタイミングだけではなく、二人の気持ちも一致するようになる
さらに詳しく調べてみると会話を繰り返し行って2人の息が合ってくるようになったのと同時に、2人の脳波のリズムまで同調するようになっていたことを発見しました。
つまり、私たちは親しい中の相手とは脳波のリズム、気持ちの面でも一致しているのです。心で通じ合っている感覚というのは本当にあったのですね。実際に心が通じ合っている相手とは脳波のレベルで波長が一致しているのです。すごい話ですね。
この心理があるからこそ私たちは付き合いが長くなるにつれて、相手の心が読めるようになったり同じ気持ちを感じやすくなるのです。脳波の波長が合うことで考え方を直感的にも理解できるようになるのですね。
共感力を高めたいのなら好きな人と会話をたくさんしよう
人が仲良くなるにつれて相手の気持ちを理屈で理解するだけではなく、心のうちでも一緒に共感するようになるのは、この脳波リズムの一致が関係しているのです。何とも乙女チックでロマンチックな研究結果ですね。
そう考えると、例えば漫才師の人たちの息の合ったコンビネーションも同じように脳波のレベルで合致しているのですね。ちょうどいいタイミングツッコミとボケが組み合わさるのは、まさに二人のシンクロ率が高まった結果なのです。いい話です。
というわけで、共感力を高めて脳波レベルで仲良くなるために好きな相手とはたくさん会話を楽しんでいきましょう。似た者夫婦、似た者カップルは会話を繰り返すことで出来上がっていきます。
こうした会話の量に加えて、さらに意識的にしぐさや表情のミラーリングを行うことでも仲良くなるスピードが速まっていきますので、カップル同士でもぜひお試しください。