新型コロナウイルスのデマや誤情報を信じてパニックが起きてしまう心理的理由

イメージを変える・印象操作の心理学
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ネガティブな情報は嘘でも拡散されやすい

新型コロナウイルス関連の誤情報や不安を煽る話ほど多くの人の目に留まるように拡散されていますが、これには人間の心理が関係しています。

 

憂鬱なニュースばかり取り上げられ、SNSでも偏った意見や恐ろしいデマが出回ってしまう理由は、私たちがネガティブな情報に心を乗っ取られやすいという特徴を持っているからです。

 

さらに恐ろしいことに、人はネガティブな情報というだけで信じてしまい、誤情報かどうかを確認しないのです。

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悪いニュースほど増殖していく集団心理

イギリスのウォーリック大学心理学部のロバート・D・ジャジエロ博士とトーマス・T・ヒルズ博士らの2018年の研究では、悪いニュースほど社会の中で拡散されやすいという性質が見つかっています。

 

ジャジエロ博士らは、悪いニュースがどのようにして広まっていくのかを調べるために、154人の男女を対象に、ソーシャルメディアでの振る舞いをチェックする実験を行いました。

 

実験では、まず参加者を8人ずつのグループになってっもらい、最初のグループに「普通のニュース」(今後は猛暑が続くというようなニュース)と「悪いニュース」(猛暑の被害で死者が増えますというようなニュース)の2種類のニュースを伝えて、それぞれのニュースを他の人に伝言してもらうということを行ってもらいました。

 

情報を伝えていく過程で、ニュースの性質がどのように変化していくのかをチェックしたのです。

 

すると、「普通のニュース」は伝言が続いても特に内容に変化が起きなかったのに対し、「悪いニュース」では伝言が長引くほど恐怖感とパニック感を煽る情報が増えていったのです。

 

本当の情報を知らされても嘘の情報を信じ続けてしまう!

さらに恐ろしいことに、一度恐怖が拡大したニュースを信じた人たちは、あとで事実を知らされても正しい情報を信じようとはしなかったこともわかりました。ニュースの内容がネガティブなものであればあるほど恐怖感が拡大していってしまうのです。

 

このような心理現象に対して、研究者は社会はリスクの拡大装置になってしまうと警告しています。実際は文明が発達するにつれて世界の危険度は低下しているにも関わらず、私たちが「世界はより危険で脅威に満ちたものだ」と誤って解釈してしまう理由は、このネガティブな情報に対する心理的な姿勢にあったのです。

 

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人が集まれば恐怖やリスクは大きくなりやすいので注意

そもそも私たちの社会システムには必要以上にネガティブな情報やリスクを拡大させてしまう傾向があるのです。このような心理があるので、場合によっては人は必要以上に恐怖を感じてしまい、集団パニックや過剰な自粛、差別といった間違った行動をとってしまうようになるのです。

 

恐怖を感じるリスクの高いもの(制御不能なもの、致命的なもの、無意識なもの、テロ攻撃や戦争など壊滅的な結果をもたらすものなど)が情報に関与している場合、リスクを回避しようとする心理的バイアスのために、私たちの心は恐怖心を増幅させてしまいます。

 

ということで、自分が間違った情報に踊らされてしまわないように、ネガティブなもの以外の情報も集めていきましょう。もしくはニュースをシャットアウトしましょう。

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