忙しい人は世界に増えている
イギリスでの調査によると、イギリスにいる約80%もの人たちが「忙しすぎて、友達と遊ぶ時間も寝る時間もない」と答えています。日本以外でも、同じように働き過ぎて時間がないと感じている国はあるんですね。
ほかの国でも似たような状況で、豊かになっている国ほど忙しさを感じているという結果が出ています。
そこで今回は、世界は豊かになっているのに現代人はなぜこんなにも忙しいのか?という問題について心理的な観点から解説していきます。
本当はみんな暇!忙しさは幻想だった
早速なのですが、なぜ私たちはこんなにも忙しいのでしょうか?問題は忙しさと感じる心理的な原因にあります。
実は研究によると、現代に暮らす私たちが感じている忙しさはすべて幻想だということがわかっています。現代人はとても忙しいように見えても、実際は過去のどの時代の人たちよりもずっと自由にできる時間を持っているのです。
時間の使い方について研究している社会学者のジョン・ロビンソン博士の調べによると、現代人は暇な時間が増えていることがわかっています。
現代に生きる人々は最も自由な時間を持っていた
ロビンソン博士は、調査に協力してくれた被験者たちの行動を記録し、それを分析しました。
すると、現代に生きる人々は、過去に生きた人々と比べて、より多くの自由な時間を持っていることがわかったのです。
これは文明について考えてみれば当たり前で、科学が発達して便利な機械やサービスが増えたのだから当然の結果です。昔は洗濯するときも一つ一つ手洗いをしていたのが、洗濯機一つで済むようになったのですから。
労働時間は過去40年間で減り続けていた
しかし、ロビンソン博士の調査によれば、ほとんどのアメリカ人は、過去の時代よりも働く時間が増えたと感じていると答えたのです。日本でアンケートを取っても同じような結果になりそうですね。
実はアメリカに限らず、世界中の人たちが仕事に費やしている時間の合計は、過去40年間でまったく増えていないのです。
さらには労働時間が増えていないどころか少なくなっていることが、行動記録を使った研究で明らかになりました。
自由なのに時間がないと感じてしまうのはなぜ?
というわけで忙しいと感じているのはただの幻想であり思い込みです。しかしこれでは終われませんね笑。
では、どうして歴史上最も自由なはずの私たち現代人が時間に追われ、これまで以上に忙しいと感じてしまっている原因は何なのでしょうか?
この問題は私たちの心理的な部分にあるのですが、長くなってきたので次回に詳しく説明します。