カップルが仲良くなるデート
今回は、恋人と仲良くなるための恋愛心理学を紹介していきます。その内容は、「一緒に芸術作品を制作するカップルは仲良しになる!」という話です。
なんかエモいですね笑。芸術にこんな使い方と心理効果があったとは驚きです。
アート作品を作るとなると定番のデートとはズレているので、マンネリ化も防げてけっこう楽しめるかと思います。
カップル歴が長い人たちは関係がマンネリ化しやすく、お互いを誤解しやすくなる頻度も多くなります。私たちは付き合いが長くなると、相手のことを知った気になるので積極的に相手の新しい情報を集めようとしなくなり、変化にも気づけなくなるのです。たまにはお互いを知る時間を作りましょう。
— ちょっぺ〜先生@心理学博士 (@kruchoro) 2020年12月2日
ゲームグループとアートグループ
2019年にベイラー大学心理学と神経科学部のカレン・K・メルトン、マディー・ラーソン、マリア・L・ボッチャ博士らは、25〜40歳のカップルを20組集めて一つの心理実験を行いました。
まず最初に集まってもらったカップルを、ボードゲームで一緒に遊ぶグループと、絵画教室でビーチの絵を一緒に描くグループの2つに分けました。
実験中は、カップルのオキシトシン濃度の測定と、ボディタッチやアイコンタクトの頻度をチェックしていました。
愛情ホルモンとして有名なオキシトシンは、他者との仲が良いほど分泌量が高まることがわかっていまして、この実験でどれだけカップルの中が近づいたのかを調べたのですね。
絵を描いたカップルは2倍も愛情ホルモンが増えた
すると、一緒にビーチの絵を描いたカップルは、ボードゲームで遊んだカップルよりも、オキシトシンの量が2倍も多く出ていたのです。2倍というのはかなり大きな差が出ましたね。
さらに、一緒に絵を描いたカップルではボディタッチの量も増えていました。ホルモン量だけではなく実際にお互いに触れ合う機会も増えていたのです。つまり、イチャイチャする頻度が上がったということですね笑。
ちなみに研究者たちは実験前の予測では、ボードゲームで遊んだカップルの方が仲良くなるだろうと考えられていたのですが、実際には逆の結果になったとのことです。
アートの共同制作で仲良しになれる理由
研究者がゲームの方が仲良くなるだろうと考えた理由は、ゲームの戦略についてお互いに話し合って多くのコミュニケーションを取る必要があるだろうと予測したからです。確かにそんな感じはしますね。
しかし、実際には逆で、一緒に絵を描くという芸術活動に参加したカップルは相互作用が高まり、より良いコミュニケーションが促進されました。
つまり、質の高いコミュニケーションが必要となる共同作業を行うことがカップルの仲には重要なのです。ゲームも楽しそうですけどね!
二人で何かを作りあげることが大切
一般的に考えると、わざわざアート教室をデートの場に選ぶ人は少ないのですが、むしろこちらの方がお互いに仲良しになれる効果が大きいのですね。
指輪とかアクセサリーは仲の良いカップルで一緒に作ったりしますけど、絵を描くのもいいのですね。
というわけで、カップルで共同で何かを作ることはコミュニケーションの頻度と質を高めるの役立つので、好きな人と仲良くなりたい人はぜひ一緒に何かを作ってみてください。
最初にも言いましたが、このデートはマンネリ化防止にも使えますからね。
参考論文
Melton, K.K., Larson, M. and Boccia, M.L. (2019), Examining Couple Recreation and Oxytocin via the Ecology of Family Experiences Framework. J. Marriage Fam, 81: 771-782.