ADHDが悩みがちな先延ばしを克服する方法
今回から連載で、ハーバード大学医学部精神科の臨床心理学者ロベルト・オリバルディア博士がおすすめする「先延ばし癖の撃退方法」について解説していきます。
オリバルディア博士はADHD(注意欠陥障害)の専門家でもあります。ADHDの人は先延ばしをしがちという特徴があります。そこでまず、どうしてADHDの人は先延ばしをしてしまうのかについて心理的な解説していきます。
どうして先延ばししたりサボってしまうのか?
先延ばしが起きてしまう大きな原因は、ADHDの人が時間を「現在」と「現在以外」というたった2つの時間軸で見てしまっているからです。
つまり、ADHDの人は今と今以外でしか物事を捉えることができないので、やるべき仕事がよほど緊急だったり興味が注がれる刺激的な内容でない限りは、「現在以外」という時間軸に置いてしまって作業を後回しにしてしまうのです。
例えるのなら、「あと少し経ったら頑張ろう!」みたいなことができないわけですね。
なので、先延ばし癖を治すためには、この時間軸の捉え方を変える必要があります。そうして作業の前段階で時間の捉え方をうまく変えてあげれば、やるべきことを先延ばしせずに計画通りに実行できるようになります。
誰でも先延ばしはする
と言っても、ADHDの人に限らずどんな人にも先延ばし癖やサボり癖は少なからずありますよね。何もしてないのにやる気が溢れてくる時もあれば、まったく何もする気が起きないときもあります。テスト勉強なんて予定通りきちんと始められる人のほうが圧倒的に少数派です。
つまり、ADHDの人が抱える問題は誰しも大なり小なり持っているのです。なので、今回紹介する先延ばし術はADHDではない人にもおすすめです。仕事や勉強を計画する際には参考にしてみてください。
先延ばし癖をなおす11の方法
今回紹介するのは2018年にオリバルディア博士がまとめてくれた、注意力が逸れがちな人向けの先延ばし癖撃退方法です。先ほど説明した間違った時間軸の捉え方を予定に合わせて修正していくための方法ですね。
ポイントは次の11つです。
- 作業目標は小さく分割する
- やるべき作業の優先順位を整理する
- 心から楽しいと感じる作業だけに集中する
- 先延ばししてしまったたときの気持ちを想像する
- とりあえず15分だけ作業する
- やる気がある時間帯に作業する
- 勢いを利用する
- 時間制限を設ける
- 誰かに協力してもらう
- ルーティンに落とし込む
- 楽しいことを組み合わせる
一度にすべて解説すると長くなるので、記事を分けて順番に話していきます(詳しい解説は次回から)。お楽しみに。
・次は→ADHD必見!やるべきことを先延ばししなくなる作業分割テクニック【先延ばし克服シリーズ2】 – くるちょろ心理学研究所
参考論文:ADHD Experts Reveal Their Favorite Ways to Manage Procrastination