相手の気持ちを探るとき、どこを見る?
私たちは相手の気持ちを察しようとするとき、どこを一番見ていると思いますか?
実は、私たちが一番注意深く観察するのは、相手の顔・表情です。
たとえば相手の顔をじっと見るという行動をとる場合には、「この人、嘘ついてないかな?」と相手を観察する意味があるのと同時に、相手を威圧してボロを出させる意味もあります。
たしかにこの方法で嘘がばれることもあります。嘘が下手な人や自信がない人、罪悪感を強く感じている人には効果的です。
しかし、観察される側も同じことようなことを考えていますし、嘘をつく場合には相手が自分の顔色をうかがってくるだろうということも知っています。
相手を気遣うために顔の本音は隠される
つまり、人が嘘をつくときには、自分の力と知恵のすべてを振り絞って嘘の表情を装うので、微表情と呼ばれる偽れない顔のしぐさを見破る技術を身につけていないかぎりは、なかなか見破れることはありません(※微表情は高度な技術な上に最近の研究で否定された結果もあり、日常生活ではほとんど使えません)。
また、相手にそうやって疑いの眼差しでこちらの顔を細部までじっと見られたら、誰だって気分を害してしまいますよね。
ましてや嘘をついていなかったときには、「私が言っていることを信じてくれないの?」と、最悪の場合には人間関係を破綻させてしまう危険性もあります。ですので、相手の顔をじっと見るという方法はあまり使えないのです。
たとえ相手が喜んでいるかどうか調べる場合でも、相手の顔をじっと見るのは気味が悪いのでやめましょう笑。
顔を観察しすぎるのは失礼なのでやめましょう
以前の記事でも話していますが、文化や男女間の違いによってはすごく失礼な行為にあたり、揉め事の発端にもなりかねません。
では、どうするのか? 顔の表情よりももっと簡単にそのときの相手の気持ちを汲み取れる良い場所があります。
それは、体の動きです。嘘を見抜こうとする場合、相手の表情よりも体の動きに注目する方が賢いのです。
そして最も人の本音が出やすい体の場所は、「お腹」と「足」です。
お腹と足の向きは気持ちが出やすい
まずはお腹から説明してきますが、これは超簡単です(腸だけに)。ただ、相手のお腹が向いている方向を確認するだけです。
相手のお腹(おへそ)が自分の方を向いていたら「興味がある」という意思表示で、別の方向を向いていたら「あなたには興味がない」「この場所から早く離れたい」という意思表示になります。
とは言っても、私たちは人と対面して話をしているときには、自分のお腹をあまり別の方向には向けません。
ですので、これはむしろ、「相手のお腹の向きが自分の方に向いていなかったら、けっこうな注意信号である」と覚えておくといいです。
単純ですが、意外と多くの人がやっていないプラスのしぐさがあります。それが相槌です。
人から話を聞くときには相槌を打つだけで相手から高評価を得られます。特に相手の話を聞きながら考え事をしていると相槌が打てなくなるので、話を聞くときは聞くことに集中すると良いです。
— ちょっぺ〜先生@心理学博士 (@kruchoro) 2018年11月26日
人のしぐさには色々な意味がある
しかし、自分の方に相手のお腹が向いていないからと言って「怒っているのかな?」と必要以上に相手の顔色を気にすることもありません。
なぜなら、次に示すように、相手のお腹の方向があさってを向いているのには理由がいくつも考えられるからです。
例えば、相手はあなたの振った話題にすでに飽きてきているだけなのかもしれません。
もしくは、お腹の向いている方に何か興味の注がれるものがあるだけなのかもしれません。
さらには、この後に用事があって、あなたとお喋りできる時間に限りがあるだけなのかもしれません。
というように理由は様々ですので、相手にお腹の向きを逸らされたからといっても、すぐには凹まずに(凹むことは後でもできます)相手の意思表示を汲み取って、「話題を変える」「場所を変える」「相手のこの後の予定を訊ねる」などして対応しましょう。
もしかしたら「相手の体調が良くない」ということも考えられます。そういうときこそ、あなたの優しさの見せ所です。
足の向きはもっと正直
次に足です。こちらもお腹と一緒で、足の向く方向が相手の関心の示すバロメーターや関心の対象になります。
相手と立ち話をしているときに相手の足があなたとは違う方向を向いていたり、L字のように片足だけそっぽを向いている場合は、お腹のときと一緒で、関心が薄れている(または他に用事や関心事がある)という意思表示です。
例えば、座っているときに、お腹の向きを変えるのはよっぽどのことなので、まずは足の向きを見て相手の関心が逸れていないかを確認するといいでしょう。
お腹の向きを変えるのは失礼だと思い自重している人でも、足の向きまでは意識がいっていなかったりします。
なぜなら、まさかあなたがそんなところを見ているだなんて、相手は思わないからです。
その場から離れたい気持ちが強いと足の向きは出口に向かう
また、嘘みたいな話なんですが、関心が逸れたときに、足が「部屋や建物の出口の方に向く」という傾向があります。
どうやら私たちは無意識に「早くここから出ていきたい」と思いながら、話が終わったら速攻で出口に向かえるように、自分の足をそちらの方向にスタンバイしてしまうようなのです。
どんだけ正直やねん、ほんまかいな!って感じですよね。
まぁこうやって見てみると、足の向きの変化ってなんかちょっと可愛いしぐさとも思えますよね。正直すぎるので。
というわけで、学生の場合は授業の終了間際、会社員の場合は会議の終了間際に、自分の足の向きが変わり始めていないかチェックするところから始めてみると、人のしぐさの意味を理解することが楽しくなってくるかと思います。