トラウマを克服する方法
今回はカリフォルニア大学デービス校の心理学者ロバート・エモンズ教授が解説する、嫌な記憶を良い記憶に変えるテクニックについて解説していきます。
過去の不快な経験に悩まされている場合は、感謝の言葉を使用して、それについての考え方を再構成、再評してみてください。
私たちの生活の中での不快な経験はトラウマのような大きな体験である必要はありません。
あなたにとって、あるいは他の人たちにとって、それが大きな出来事であろうと小さな出来事であろうと、私たちは過去の辛い出来事から感謝の恩恵を受けることができます。
不幸な出来事をプラスに変える6つの質問
トラウマ的な体験に感謝をしてプラスの効果を引き出すためには次の質問が役立ちます。自分自身に訊ねてみてください。
- その経験は私にどのような教訓を教えてくれましたか?
- 当時は感謝することができなかったかもしれませんが、今なら起きた出来事に感謝する方法を見つけることができますか?
- その衝撃的な経験は、あなたにどのような能力や才能を与えてくれましたか?
- その経験から、どのようにしてあなたは自分の目指した姿になれましたか?
- その経験から生まれたネガティブな感情が、これまであなたから感謝を感じる能力を制限したり妨げたりしましたか?そのせいであなたは人に感謝できなくなりましたか?
- その経験があってから、あなたは以前よりも感謝の気持ちを持てるようになりましたか?
これらの質問の中には答えることが難しいものもありますが、時間をかけて自分なりの答え、視点を見つけていってください。
質問をするときのポイント
悲しみに浸らない
このエクササイズを行うときに重要なのは、ただ悲しい出来事を追体験することではなく、悲しい出来事についての新しい視点、新しい考え方、新しい評価を持つことです。ただ悲しみに浸ってはいけません。そのことを忘れないでください。
このような悲しい出来事について単に思い出すだけで、私たちは気分が悪くなってしまいます。
カタルシス(悲しいことを思い出すことで気分が晴れる)のような効果はほとんどありません。
新しい視点で再評価する
洞察を伴わない感情的なイベントは新しい変化を何も生み出しません。
あなたがトラウマとなった出来事について新鮮な気持ちで、意味を書き換えるための視点を持つことができない限り、トラウマとなった出来事についてどれだけ書いてみても役に立ちません。
感謝は記憶を書き換える
今回紹介したテクニックは、感謝の気持ちを持つことができる人だけが効果を発揮できる能力のひとつです。
そして、これは誰でも学べるスキルなのです。過去の出来事を思い返して、新しい意味や視点を見つけ出しましょう。自分自身のために。
参考資料
How Gratitude Can Help You Through Hard Times