くるちょろ心理学研究所

心理学・医学・経済学の研究論文の解説と考察をしています

【成功心理】仕事が超できる人=ハイフライヤーになるために能力よりも大事なものとは?

f:id:kruchoro:20220130185344j:plain

 

 

能力よりも性格が成功には重要

 

2017年におこなわれた心理学研究によると、職場で成功するために必要なのは能力ではなく、性格であるという可能性が示されています。

 

ロンドン大学心理学部のアレクサンドラ・テオドレスク、エイドリアン・ファーナム、イアン・マクレー博士らの研究では、仕事で個人が成功する可能性を最大限に発揮するための性格を調査しました。

 

この成功に必要な性格特性を「ハイ・ポテンシャル・トレイツ・インベントリー(High Potential Traits Inventory、HPTI)」と言います。

 

今回はこのハイ・ポテンシャル・トレイツ・インベントリーの心理学について解説していきます。

 

kruchoro.com

 

4つのハイ・ポテンシャル・トレイツ・インベントリー

 

この研究はグローバル企業で働く383人の社会人(平均年齢40歳、平均所得9万ドル)を対象におこなわれ、その結果、仕事の成功や昇進に影響を与えているものは個人の性格であり、t特に成功により深くかかわる性格特性は4つあることがわかりました。

 

その4つの性格特性とは、ビッグファイブ性格特性のひとつである誠実性(conscientiousness)、競争心(competitiveness)、勇気(courage)、そして曖昧さの受容(ambiguity acceptance)です。

 

それぞれ順番に解説していきましょう。

 

誠実性

 

誠実性とは、簡単に言うと、その人の真面目さ・勤勉さです。

 

誠実性が成功と結びつくことは多くの研究で示されています。誠実性が高い人が仕事で成功しやすいのは、愚直にコツコツと目標達成のための作業をこなすことができるからです。

 

ズルや楽をして簡単に成果を得ようとするようなよこしまな考えは、誠実性を著しく下げることになりますので注意が必要です。

 

誠実性について詳しくはビッグファイブ性格特性の解説で話しているので、気になるひとはそちらの話もあわせて読んでみてください。

 

kruchoro.com

競争心、勇気

 

競争心と勇気はより直感的にわかりやすい概念です。

 

競争心を持ち、競争を楽しむことは、人々をより高みへと押し上げるのに役立ちます。

 

「シュートを撃たなければ、得点することはない(if you don’t shoot, you can’t score)」という格言が英語にはありますが、この言葉が示すように、そもそもチャンスをつかもうとしない人は成功することができません。

 

しかし、そうした事実にもかかわらず、意外にも人は成功や幸せをつかむためのチャンスをみすみす逃してしまいます。

 

これは失敗することを恐れたり、環境が変わることを嫌悪したり、自分にはまだそのような素質や才能はないと早々に見切りをつけてしまうからです。

 

なので、成功するためのチャンスがあなたのもとに訪れることがあったのなら、ためらわずに挑戦してください。

 

たとえ、そのチャンスを逃して失敗してしまっても、その経験は後にあらわれる新しいチャンスを掴むことに役立ちます。

 

また、そうやって限界に挑戦することで、新しいことに挑戦するときに生じる心理的なハードルを次回から下げることもできます。

 

曖昧さの受容

 

最後に、曖昧さの受容について解説します。

 

仕事をしていると、多くの場面で私たちは曖昧さに直面することになります。

 

たとえば、上司は私たちがその仕事を成功させるために必要なこと、期限や成果などを必ずしも明確に伝えていないかもしれません。

 

上司が目標を設定するのが苦手だったり、上層部の圧力に負けて間違った目標設定をして部下に押し付けてしまうこともあります。

 

つまり、私たちはそういった曖昧な状況にパニックになることなく、うまく対処していく必要があるのです。この能力を測ったものが、「曖昧さの受容」というわけです。

 

 

設定目標を越えてハイフライする

 

どのような状況であれ、自分自身で成功の指標を定めることは、外部から設定された指標を達成することと同じくらい、あるいはそれ以上に重要な意味を持つことがあります。

 

このような不確実性を受け入れる能力は、ハイフライヤーが持つメンタリティとも相性が良く、目標の定義が曖昧なときでも、達成可能な結果を目指して自分を追い込むことで、自分の能力を深く掘り下げることができ、自分の能力を開花・成長させることもあります。

 

挑戦にはいつも不確実なことが付きまといますから、この不確実性に対する受け入れの心がないと行動を起こすことができず、成長する機会も得られないのですね。

 

まとめると、ハイフライヤーは必ずしもいつも成功するとは限りませんが、誠実性、競争心、勇気、曖昧さの受容を持って飛ぶ(ハイフライする)ことによって、自分自身が達成可能だと予測していた以上の成果を出せるようになるのです。

 

成功、そして成功のための成長を得るために、これら4つの性格特性を意識して仕事に挑んでみましょう。

 

kruchoro.com

 

参考論文

 

Teodorescu, A., Furnham, A., & MacRae, I. (2017). Trait correlates of success at work. International Journal of Selection and Assessment, 25(1), 36-42. doi:10.1111/ijsa.12158

https://doi.org/10.1111/ijsa.12158