くるちょろ心理学研究所

心理学・医学・経済学の研究論文の解説と考察をしています

若者の自殺率が高いのは登校時間のせい!?

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実は10代の多くは睡眠障害?

 

「一般的な若者の体内時計の時間は大人とは違う」という話は過去にしましたが、今回はそのせいで若者が睡眠障害にかかっている!という衝撃的な話をします。

 

今回も時間生物学で有名なルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン校(ミュンヘン大学)のティル・ロエンバーグ博士と、ニューヨークタイムズのジャーナリストのデイビット・K・ランドール氏の話をもとに解説していきます。

 

必要な睡眠を取っている若者は半分以下

 

10代の若者は、約8〜10時間の睡眠が必要とされています。

 

しかし、学校や部活のある平日の睡眠時間は、必要とされる睡眠時間よりもはるかに少なくなっています。

 

調査によると、学校の開始時間が1時間遅れただけで、1日あたりに8時間以上の睡眠をとる生徒の割合が35.7%から50%に跳ね上がることがわかっています。

 

50%でも少ないと思いますが、若者を取り巻く睡眠不足の問題はそれほどひどくなっているということです。

 

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学校の時間を遅らせるメリット

 

また、学校の時間が遅れると生徒の睡眠時間が増えるだけではなく、授業の出席率、パフォーマンス、モチベーション、さらには食生活までもが大幅に改善されます。

 

実際のところ、睡眠不足はあらゆる不調の原因になるので、ここに書いてある以上の効果が期待できると思います。

 

また、成長段階であると同時に新しい学びが多い思春期に睡眠不足に陥ることは、大人が睡眠不足になる以上に大きな損失が懸念されます。

 

 

睡眠不足のせいで若者はうつになりやすい

 

研究によると、思春期の慢性的な睡眠不足は、新しい情報を学ぶために必要な脳の能力を低下させるだけではなく、うつ病の発症や攻撃性の増加などの感情的な問題につながる可能性が示唆されています。

 

コロンビア大学の研究では、午後10時またはそれ以前に就寝した10代の若者は、真夜中以降も起きている若者よりも、うつ病や自殺願望に苦しむ可能性が低いという結果が出ています。

 

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みんなで同時に学ぶ時代は終わり?

 

デイビット・K・ランドール氏は、全生徒にあてがわられた時刻表を完全に排除し、いつ学校に登校するかについては学生自身の判断に任せた方がいいとしています。

 

クロノタイプは人によって違うので、それを全員に当てはめて活動するのには無理があるのですね。

 

ただし、学校の時間を遅らせるとなると保護者の時間も確保しなければいけないので、仕事の時間も遅くする必要があるでしょう。

 

というわけで、現代の朝活文化は意外と大きな社会問題なのです。

 

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参考資料

 

The Science of Internal Time, Social Jet Lag, and Why You’re So Tired

https://www.brainpickings.org/2012/05/11/internal-time-till-roenneber/

Sleep and the Teenage Brain

https://www.brainpickings.org/2013/07/17/sleep-and-the-teenage-brain/